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2005/09/19

Marionette(マリオネット)

Marionette (マリオネット)をご存知だろうか?

ポルトガルギター奏者の湯淺隆(ゆあさたかし)氏とマンドリン奏者の吉田剛士(よしだつよし)氏という、 ユニークな楽器奏者のデユオである。

詳しくは彼らの公式Webサイトを見て欲しいのだが、 湯浅氏は単身ポルトガルに渡って、この独特な12弦ギターを学び、 また吉田氏はドイツの音楽大学に留学してクラシックマンドリンやマンドリュートを学んだという。

デビューは1990年であるが、デビューアルバムは1995年2月発売のこの「ぽるとがる幻想」。 当時3万枚をセールスして一躍脚光を浴びたのだった。

小生がなぜこのデュオを知ったのかだが、偶然なことに彼らは小生の現在の住まいがある北大阪の生まれ。

また、デビュー間もない1995年11月28日に、「スペース草」というギャラリーで開かれたコンサートで、 演奏を聴いた我が家の奥さんが、感激してサイン入りのCDを購入してきたのだった。

ギターといえばスペインが本場というイメージがあるが、 ポルトガルギターという日本では余り馴染みのないギターの演奏家としては日本人としてはおそらく初めてで、 独特な形状と奏法からは聴く人の心をぐっと掴むものがあり、ポルトガルの演歌ともいえる「ファド」の旋律を取り入れたオリジナル曲の数々は、 小生のお気に入りである。

デビュー当時はオーマガトキというレコードショップチェーンの新星堂が設立した独立系のレーベルから、 ポルトガルで録音した「ルジタニア憧憬」 など意欲的にアルバムをリリースしていたが、その後DENONに移籍して、「Nostalgia(ノスタルジア) 」を発売するなど活躍を続けている。

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2005/09/17

今日の一枚(From the Heart)


(JAZZ) From the Heart
Marielle Koeman(v)
Jos Van Beest(p)
Evert J. Woud(b)
Rolf Breemer(ds) 
澤野工房 AS023

Marielle Koeman(v)
Jos Van Beest(p)
Evert J. Woud(b)
Rolf Breemer(ds)

1.Early Autumn
2.Moonlight In Vermont
3.I've Got The World On A String
4.Corcovado
5.Broadway
6.Eatate
7.Dein Ist Mein Ganzes Herz
8.Retrato Em Branco E Preto
9.Everything Happens To Me
10.You Must Believe In Spring

大阪市の電気街である日本橋に本拠を構える澤野工房は、知る人ぞ知る、良質なJAZZコレクションを発掘し送り出している。

このFrom the Heartも、澤野工房が発掘したオランダのJAZZトリオであるヨス・ヴァン・ビースト・トリオのアルバムの一つであるが、リーダーであるヨス・ヴァン・ビーストのパートナーでもあるマリエル・コーマンをヴォーカルに迎えた珠玉の一枚である。

このCDを紹介してくれたのは、小生のオーディオ仲間であるY氏。
彼の自宅でリファレンスとしてよく演奏されるのがこの中の4曲目の4.Corcovadoと9曲目のEverything Happens To Me
アルバム全体がスローなテンポに統一され、ゆったりとした時を紡ぎだしている。
マリエル・コーマンの歌声は透明感があり、ノン・ビブラートに近い唱法と相まって好感が持てる。
また、ヴォーカルのディテールを描ききるためのオーディオ的努力によって、暖かみある等身大の女性を描き出すことも可能である。
それを垣間見せてくれたY氏のシステムに習い、小生もこのアルバムをリファレンスに使用している。

ライナーノーツより
オランダから4人のハートが届きました。それもとびきり優しいハートが……。もちろん3つは、ヨス・ヴァン・ビースト・トリオのこと。彼らなしには、もう澤野工房は語れません。そのビーストが、ご自分のスィート・ハートであるマリエル・コーマンを誘って、レコーディングしたのが今作品です。4つのハートがそろったこの一枚を手にしたあなたは、野原で幸運のクローバーを見つけたときに似たささやかな喜びを得るでしょう。なぜならコーマンの歌声には、自然のままの飾らない魅力があるから。その中に見え隠れする朗らかさ、せつなさ、優しさ。トリオの甘い演奏の中で、飛びだしすぎず、甘くなりすぎず。その微妙なバランスに、ハートがくすぐられてしまいます。まるで、さざ波が、さらさらと優しく砂浜をくすぐるように。ボサノバ調の演奏は、海辺の木陰で横たわっているかのような気持ちのよい時間を届けてくれるでしょう。ひとつ忘れてならないのが、このボーカル曲の中にあって、トリオのみで演奏されている⑥ESTATE。そばで聞いていたコーマンも、きっとうっとりしたであろうこの1曲。彼らの円熟した美しい音の世界は、想像の域を超えてどこまでもどこまでも広がっていくのです。これこそ究極のヨス・ヴァン・ビースト・トリオ。さあ、4人のハートをじっくり感じてください。

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