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2010/11/30

ヴィヴァルディ:リュート協奏曲/ヴィオラ・ダモーレ協奏曲/トリオ・ソナタ集

P1010319普段は週末に帰宅するばかりだが、偶々この月火曜と仕事で帰宅した折に、以前からWalty堂島に予約していたCDが入荷したというので、仕事を終えて東京へ移動するため、大阪梅田の空港バス乗り場へ向かう途中で立ち寄った。

JAZZやクラシックの新品から中古LPにCDまで沢山の品揃えを誇り、豊富な知識を持つ店員さんのいるショップとして貴重な存在だったWalty堂島。
しかし、この秋に「この度、JAZZ担当だった店員の退職により、この年末を持ってお店を一旦閉店します」との告知が出てファンを驚かせた。

小生が大学生の頃には沢山の支店も持っていたレコードショップ「ワルツ堂」が倒産した時に、有力な店員さん達が自分達の店として立ち上げたWalty堂島だったが、昨今の時代の流れに飲み込まれてしまったのか・・・・・

さて、今回購入したCDはハンガリーのHUNGAROTONレーベルがリリースしているヴィヴァルディ:リュート協奏曲/ヴィオラ・ダモーレ協奏曲/トリオ・ソナタ集
本物のリュートの響きに魅せられて探し出したCDである。

アントニオ・ヴィヴァルディ - Antonio Vivaldi (1678-1741)
リュート協奏曲 ニ長調 RV 93
* Daniel Benko (リュート)
* ブダペスト・フランツ・リスト室内管弦楽団 - Budapest Franz Liszt Chamber Orchestra
* ヤーノシュ・ローラ - Janos Rolla (指揮者)
1. Allegro giusto
2. Largo
3.Allegro

ヴィオラ・ダモーレとュートのための協奏曲 ニ短調 RV 540
4.Allegro
5.Largo
6.Allegro

トリオ・ソナタ ト短調 RV 85
* ヤーノシュ・ローラ - Janos Rolla (ヴァイオリン)
* Daniel Benko (リュート)
* ジュジャ・ペルティシュ - Zsuzsa Pertis (チェンバロ)
* Maria Frank (チェロ)
7.Andante molto
8.Larghetto
9.Allegro

トリオ・ソナタ ハ長調 RV 82
10.Allegro con molto quasi andante
12.Allegro


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2010/11/29

東京交響楽団第28回川崎定期演奏会

20p101126muza1ショパン生誕200年という記念の年を締めくくるコンサートとして、また小生の今年50回目の節目のコンサートとして、11月最後の日曜午後にミューザ川崎シンフォニーホールへやってきた。
今日は東京交響楽団の第28回川崎定期演奏会。
20p101126muza2ミューザ川崎の入り口にはこのようにクリスマスの飾りつけが施され、吹き抜けの飲食街にはクリスマスツリーがそびえたっている。
20p101126muza3今日のプログラムは、指揮者に東京交響楽団の音楽監督を務めるユベール・スダーン氏、ピアノ独奏にダン・タイ・ソン氏を迎えた、ショパン生誕200年記念のピアノ協奏曲 第2番へ短調Op.21、そしてメインはブルックナー:交響曲第8番ハ短調WAB.108「ノヴァーク版第2稿」の2曲である。
ダン・タイ・ソン氏はベトナム・ハノイ生まれで、1980年ショパン国際ピアノコンクールでアジア人初の優勝者となり、国際的なピアニストとして活躍している。
小生が今年聴いたショパンコンクール覇者は、2000年のユンデイ・リ、2005年のブレハッチ、1985年のブーニンそして今日聴く1980年のダン・タイ・ソンである。
こうしてみると、今年来日した中では唯一1975年のツィメルマンを聞き逃している。
因みに今年2010年の覇者はロシアのユリアナ・アヴディエヴァ氏で、早速12月4日のN響定期に登場するらしい。
20p101126muza4さて、ミューザのチケットは3階席右側でいつもとはやや離れた席である。
席からだとステージ前方に配置されたピアノからの直接音が上に昇ってきた辺りに席がある感じである。

ステージや客席には大型のTVカメラが5台セットされ、カメラクルーがそれぞれ配置されていて、マイクのセットも天吊り4本にアンビエンス用が客席上方に2本、ステージにはピアノ用以外にも弦やテインパニ前などステージ各所に配置されていた。
演奏終了後に判ったことだが、今日の演奏の模様が来年1月30日夜9時からNHK教育TVの「オーケストラの森」で放映されるという。
20p101126muza5黒色のシャツにスラックス姿で指揮者のユベール・スダーン氏を従え緩やかな歩みでステージに現われたダン・タイ・ソン氏の演奏が始まった。
ショパン19歳の時に作曲されたというコンチェルト第2番はブレハッチでも聴いた曲だが、ピアノのタッチや音色が柔らかく尖ったところがない。
かといって弱弱しいわけではなく、まるで玉を転がすように滑らかなタッチで演奏が進んでいく。
同じアジア人でも中国人のユンデイ・リやランランなどは意志の強さをあらわにした鋭いタッチで弾くが、ベトナム人のダン・タイ・ソンは、あくまでも優しく優雅でありながら奥に秘めた情熱の火を時折見せながら、この優美なショパンの佳作を弾きこなしていく。

終楽章が終わった。
幸福な気持ちで一杯になった聴衆から暖かい拍手が鳴り止まず、4回ものカーテンコールのあとにアンコールとして弾いてくれたのは、マズルカ第13番Op.17-4、優しく、あくまで優しく弾き続けるダン・タイ・ソンに大きな拍手とブラボー!の掛け声が暫し続いたのはいうまでもない。
20p101126muza620分の休憩後はブルックナーの第8交響曲。
70分強の長大なシンフォニーは宗教的なモチーフが随所に散りばめられており、優雅で壮麗な響きが素晴しい名曲である。
今回の編成は弦5部が8-8-6-6-5と大型で、管もトップを2名体制とした変則3管編成、ホルンはワグナーチューバ4本持ち替えの10名も配置されている。
これだけ大型の編成だと、壮麗なトゥッティの場面でも管の音が破綻することなく分厚いサウンドを軽々と出すことができるだろう。
指揮者のユベール・スダーン氏はタクトなしでオケを統率し、独特のリズム感でダンスを踊るような身振りで指揮をしていく。
プログラムによると彼の生まれたオランダでは、夏になるとキリストの像を教会から担ぎ出してブラスバンドを先頭に練り歩く風習があるそうだが、ブルックナーのリズムもその行列のテンポそのものだ、と彼がインタビューに答えている。
今まさにその行列の中の一人のように彼は指揮をしているのだろう。

3階席だと、コラール風の響きが天へ昇っていく感覚を味わえないのではと思っていたが、風邪の余波で余り調子の良くない耳が大音量に飽和することもなく、下から吹き上がってくる音の洪水に身を任せるという幸福感につつまれることになった。
盛り上がる場面では管トップ2本体制が厚みのあるサウンドを響かせ、弱音になるに従い1本体制に戻すと音の厚みが変化する面白さもあって、長大だが長くて飽きることのないこの8番シンフォニー。
最終楽章の演奏が終わると大きなブラボーの歓声と拍手がホールを満たした。
流石に緊張感から開放されたのかなかなか聴衆の方を向こうとしない指揮者に対して、奏者からも拍手が贈られていた。
20p101126muza7

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2010/11/28

音楽大学オーケストラフェスティバル&出水電器11月度試聴会

20101127muza1昨日は昼からオーケストラの生演奏とオーディオ再生の2本立てで音楽を楽しんできました。
先ずはいつものミューザ川崎シンフォニーホールにて、今年49回目のコンサート。

コンサート前にオーディオ&音楽愛好家のH氏と待ち合わせをして、カフェで暫し音楽&オーディオ談義です。
H氏もここミューザの音響の良さにひかれて友の会に入会されているほど数多くの演奏会を楽しまれており、その生演奏を下敷きにしたオーディオ再生環境のチューニング技術には定評があります。
演奏会前の音楽談義はやはりホールの座席位置によるオーケストラの聞こえ方や音響の違いなど、随所にオーディオ的要素が混じった雑談を楽しめるのは両者共通の趣味ならではの楽しみですね。
20101127muza2H氏が1階前列3列目真ん中に座り、小生はパイプオルガン席の真ん中、丁度指揮者を真正面から見る演奏家の視点から聴くことになります。
席に座ると開演前に早速記念写真を撮影すると、H氏も丁度ステージをカメラで写しているところでした(笑)
ここミューザ川崎は、プロの演奏会以外では開演前なら比較的自由に写真を撮らせてくれるのが有難いです。
20101127muza3今日の演奏会は、「第2回音楽大学オーケストラフェスティバル2010」という、ミューザ川崎シンフォニーホールと池袋にある東京芸術劇場の2つのホールが共催しているイベントの一つです。
本日の演奏は、末廣誠氏の指揮で、東邦音楽大学管弦楽団によるベートーベン:交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」、そしてマッシリアーノ・マテシッチ氏の指揮で、昭和音楽大学管弦楽団によるメンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調Op.90「イタリア」とレスピーギ:交響詩「ローマの松」という豪華なもので、これでチケットが千円というのですから、音楽家の卵達によるフレッシュな演奏が楽しめるのですから、音楽ファンにはたまらない企画です。
20101127muza4
英雄交響曲は、写真にあるように古典的に則ってコンパクトな2管編成で、一貫してハイテンポな小気味よさが印象に残りました。
単純明快な音階とリズム感で統一された演奏は、直線的なパルティノン神殿のような構成を見せて、前へ前へと推進していく力強さがあり、聴いている小生も暫し金管楽器奏者に戻って演奏の中に入り込んでいました。

休憩をはさんだ後に演奏された「イタリア」と「ローマの松」ですが、これはイタリア人指揮者によって重厚で複雑な響きを見事に演奏してくれました。ローマの松では弦5部も大きな3管編成に加え、ステージ一杯に並んだパーカッション群、後方にはパイプオルガンとその横に並んだ金管奏者。
この2曲を演奏家の卵達の演奏は技巧的にも難しいこの曲ですが、いとも簡単に演奏して見せました。
最後のアッピア街道の松では、若さが爆発したかのような熱気溢れる演奏でブラボーの連続、2つの音楽大学の演奏はそれぞれに特長があり音色も違うのが、当たり前のことですが面白いですね。

また、来年3月には、このイベントに参加した8つの音楽大学の選抜メンバーで編成された「音楽大学フェスティバル・オーケストラ」による演奏会が開催されるとかで、これは聴き逃したくないですね!
20101127dpat1さて、演奏会の熱気で体が火照ったまま向かったのは西蒲田にある出水電器の試聴会場。
今年最後の試聴会では、先月同様にDPATを使った高音質再生の試みということで、DPATユーザーのK氏とS氏がセッテイングと音楽データ再生を担当され出川氏も参加されたイベントでしたが、DPAT用に製作された出川式電源のコネクター部の規格が合わず、DPATは前回同様のACアダプターからの電源供給でした(^^ゞ
このイベントにはいつもの常連に加え、マイミクの面々も数名参加されており、ここでも音楽談義に花が咲きました。
20101127dpat2USBメモリーに保存して持ち込んだ音楽再生は、K氏が自作されたDPAT専用の音楽再生ソフトのおかげで再生したいファイルをダブルクリックするだけで直ぐに再生開始と、前回に比べると格段に操作が簡便になっており、これならCDメディアをCDTのトレーに乗せて再生するのに比べても操作性は優位になっていると感じました。

最後はいつもの居酒屋に会場を移しての懇親会でしたが、今回は用意された席に座りきれないほど沢山の方が懇親会に参加して、オーディオ談義や音楽談義に花を咲かせていました。
音楽ソフトを管理する優位性だけでなく高音質再生という優位性を併せ持つDPATの魅力、今回は残念ながら出川式電源ではなかったため、小生にとっては先月受けた大きな衝撃ほどではなかったですが、他の参加者にとっては、大きなインパクトのあるイベントだった証拠だと思いました。

次回こそ、出川式電源で聴かせてもらえるよう期待しましょう(笑)

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2010/11/26

今週末のイベント

20101126usbこの週末はイベントが目白おしである。
これは明日土曜日夕方からのイベントのためのに用意したI・O DATA製8GBのUSBメモリー。
トルコ土産に貰ったアクセサリーで個人識別してある。
20101126wav1中に入っているのはCDからリッピングしたWAV形式の音楽データ。
音楽管理ソフトRealPlayerを使ってリッピングしたので、このソフト上ではジャンル、アーティスト、アルバムタイトル、トラック名に従ってフォルダ管理されファイル名も自動的に付けられる。
20101126wav2明日は出水電器試聴会出川式電源を搭載したDPATSeven64にこのリッピングデータをインストールして再生するのだ。
2010112muzaそのイベントに先立つ昼3時からは、ミューザ川崎シンフォニーホールで音楽大学オーケストラフェスティバル2010で、東邦音楽大学管弦楽団と昭和音楽大学管弦楽団のコンサート。そして翌日曜日昼からは同じくミューザ川崎で東京交響楽団の川崎定期演奏会ダン・タイ・ソンのピアノでショパン:ピアノ協奏曲第2番とブルックナー交響曲第8番をユベール・スダーン指揮で聴く。

音楽とオーディオのイベント三昧の週末となる、明日からの2日間、今からワクワク楽しみだ。

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2010/11/23

アンサンブル・マイルストーン 第15回定期演奏会

20101123emc1昨夜からの雨も午前中には上がって時折晴れ間も見える。
今日11月23日は勤労感謝の日で休み。
今日は今年48回目のコンサートで、さてどちらに行こうかと悩んだが、東京都交響楽団の方は、インバルの指揮で辻井伸行のピアノによるオールベートーベンプログラムとあって、チケットが完売のため、アマチュアオケの無料演奏会に決定(^^♪
20101123emc2桜の葉も赤く色付いてちらほら散り始めている。
20101123emc3電車に乗ってJR桜木町駅から徒歩で約8分強、坂道を登ったところに本日の会場である神奈川県立音楽堂がある。
館のホームページによると、ここ神奈川県立音楽堂は、座席数が1100席余り、1954年に公立施設としては日本で初めての本格的な音楽専用ホールとして、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに設計されたホールだという。
当時としては音響の良いホールだったそうだが、残響時間は空席時で1.4秒と最新のホールに比べるとデッドな響きという印象である。
20101123emc4今回の演奏会は、2003年に結成されたアンサンブル・マイルストーンという小編成のオーケストラで、入場無料ということもあって客席の8割以上が埋まるほど盛況のコンサートである。

1954年完成のこのホールは小生が生まれる前の設計とあって、客席の傾斜が野球場の観客席のようになっていて、ステージの奥行きはやや狭め。
全面が合板張りの壁面と白く波打つようなデザインが特徴の天井を持っている。
今日はヴァイオリン独奏があるので後しかなかったらどうしようかと心配したが、運良く前から5列目の真ん中に席を確保することができた。
20101123emc5本日のプログラムは、今井治人氏の指揮で、1曲目はロッシーニ作曲:歌劇「セビリアの理髪師」序曲、2曲目はウィーン交響楽団の団員、榎本麻衣子氏のVn独奏で、ブルッフ作曲:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26、休憩をはさんでメインがベートーベン作曲:交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」。
20101123emc6弦部が5-4-4-3-2で2管編成の小型オーケストラなので音量が小さいのではと心配したがそれは杞憂に終わった。
年齢的には30~40歳代が多いと見受けられるがアンサンブルの統一感もアマチュア平均以上で、最近聴く機会の多かった100名規模の大編成オケに比べて足りないものは大音量だけと、今回のような小規模ホールでは丁度良いサイズだと感じた。
指揮者の今井治人氏は長身であるが、指揮ぶりは堅実でオーソドックスなタクトさばきが印象に残る。
セビリアの理髪師は、ロッシーニの人気オペラであり軽やかなメロデイラインをいかに薫り高く演奏するかであるが、序盤やや硬さのあった管楽器群も曲が進むにつれて華やかな響きを聴かせてくれた。
20101123emc72曲目のブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、ウィーン交響楽団の団員として活躍中の榎本麻衣子氏がシックなドレスを身にまとって登場。
小生からは直線にして約7~8メートルの場所で華麗なヴァイオリン独奏が始まった。
ブルッフのヴァイオリンコンチェルトは、ロマンティックで魅惑的なメロデイが随所に散りばめられた名曲であるが、眼前で繰り広げられる榎本麻衣子氏の演奏は華麗でダイナミクスに溢れ、気合の入れ所ではハイヒールのサンダルの踵でカン!と床を踏み鳴らす。
弓は弦を弾くだけではなく、リズムに合わせて叩いて音を出したりもするのだという、当に楽器を自在に操ってメロディを紡ぎ出していく。
けっして華々しい華麗な音ではなく、どちらかといえば地味で渋めの音色だが、それがかえってこのロマンテイックなブルッフに良く合う気がする。
伴奏のオケとの呼吸もぴったりで、最終楽章の有名な第2主題が熱情的に進行して最終フィナーレを迎えると、会場のアチコチからのブラボー!の掛け声とともに万雷の拍手。
演奏中はプロ演奏家らしい集中した精悍な顔つきだったが、演奏後はにこやかな可愛らしい笑顔が素敵なお嬢さんそのもので、このギャップがまたイイ!
どうも彼女の追っかけファンが沢山会場に来ているようだ(笑)
カーテンコール3回目にはアンコールとしてバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータから1曲が演奏された。
20101123emc8休憩後のベートーベンの運命は、先々週にすみだトリフォニーホールでも聴いたばかりだが、小編成のこれもまたいいものだ。
演奏テンポは中庸で速くも遅くもないが、ホールのサイズとオケのサイズがピッタリハマると、音楽に集中できる一時をステージと聴衆とで共有しているという一体感が生まれ、それが静かな熱情となってフィナーレまで一気に駆け抜けていった。
これは、ブルッフで火を点けられた音楽魂が煌々と燃え盛っていったのだろう。

このような素晴しいコンサートが無料だというから、日本のアマチュアオケはプロオケにとっておそろしい存在である(笑)

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2010/11/21

晩秋の能勢妙見山に遊ぶ

20101121myoken1記録続きの猛暑で心配された山々の紅葉も、季節が巡ればこのとおりの鮮やかな色に染まった。
20101121myoken2今日は久しぶりに能勢妙見山に紅葉を観に登った。
20101121myoken3雲ひとつない日曜日の朝早く家を出て登山口に着いたのは9時15分頃で、まだ朝日に照らされた山々が目に眩しい時間帯だ。
20101121myoken4山頂にある信徒会館「星嶺」は北極星をイメージされたガラス張りの建物でとてもユニークな外観をしている。
20101121myoken5山頂にお参りする度につかせてもらっている梵鐘を、今回もつかせてもらう。
荘厳な鐘の音を聞いていると心が落ち着いてくるのがわかる。
20101121myoken6晩秋の一時を紅葉狩りと霊場参拝で心も体もスッキリして山を下った。
20101121myoken7

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2010/11/20

晩秋の家庭菜園

P1010272大阪の自宅マンションに隣接して、市が運営している市民農園がある。
小生は今のマンションに越してきてから毎年欠かさず、この市民農園を借り続け、家庭菜園としている。
P1010273晩秋のこの時期は大根やレタスに蕪が実りを迎えている。
P1010274苗を買って植えたブロッコリーも随分大きく成長し、これから冬になるにつれて花芽を大きくすることだろう。
P1010275春菊、水菜の芽も出揃ってこれから大きくなるように追肥を施す。
また、来年春の収穫を目指して、絹サヤとスナックエンドウの種をポット蒔く。

毎年毎年季節ごとに繰り返しているこの農作業が、なぜか楽しくてしかたがない。

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2010/11/14

ル・スコアール管弦楽団第29回演奏会

20101114lesquare1昨日の法政大学交響楽団の演奏会に続き、47回目のコンサートとなる日曜日の今日は、スケジュールが重なった二つのどちらに行こうか?と悩んだ。
一つは文京シビックホールで開催される青山学院管弦楽団の第97回定期演奏会。
そしてもう一つが昨日と同じすみだトリフォニーホールで開催されるアマチュアオケ、ル・スコアール管弦楽団の第29回演奏会だ。
昨日同様に学生オケの若さ溢れる溌剌した演奏を楽しむのもよいと思い曲目を見ると、メインがチャイコの5番と定番中の定番。
さて、アマチュアオケの方はというと、これも定番中の定番、ベートーベンの運命、それに何とストラヴィンスキーの春の祭典という豪華カップリング。
う~ん、これは悩むということで、電車に乗る頃まで悩みに悩んでしまった。
20101114lesquare2さて結局やってきたのはこの東京スカイツリーが間近に見えるすみだトリフォニーホール。
完成すれば634メートルとなるが、現在でも497メートルと周囲に比べるもののない高さに思わず見とれる。
20101114lesquare31996年に発足したル・スコアール管弦楽団の演奏会は全席自由で入場料が1000円だが、このチラシを持っていくと5名までの招待券をくれるというので小生も今日は無料の招待券で入場する。
今日もほぼ満席の入りだが、昨日同様に前方席は空いているので、首尾よく前から8列目の真ん中に座ることができた。
20101114lesquare4今日の演奏会は、田部井剛氏の指揮で、ベルリオーズ作曲:序曲「ローマの謝肉祭」Op.9、2曲目がベートーヴェン作曲:交響曲第5番「運命」、休憩をはさんでメインが、ストラヴィンスキー作曲:バレエ音楽「春の祭典」という豪華カップリングのプログラムである。
20101114lesquare5開演時間5分前のチャイムが鳴る前から、ステージ上には続々と奏者達が現われ、自分のポジションに座ると思い思いに練習を始める。
開演前になっても練習の手を休めないのだが、これがこのオケのスタイルなんだと思う。
客席の照明が落とされるとおもむろにコンマスが立ち上がり、チューニングが始まる。
20101114lesquare6指揮者の田部井剛氏は早稲田大学を卒業後に東京音大、東京芸術大学指揮科を卒業した新進気鋭の指揮者で、小柄ながら筋肉質の精悍な顔立ちで、颯爽と指揮台に登場した。
ローマの謝肉祭は祝祭的な明るい曲調で、冒頭のイングリッシュホルンの長いソロが素晴しく優雅で、思わず聞き惚れてしまう。
弦楽器の音色は、金属的な明るさを持つバイオリンに対し、漆のような渋い艶を持つビオラにチェロ、そして丸太のような厚みある響きのコントラバスといった具合で、ややバイオリンの音量が小さめに聞こえるが、これはどちらかというと音量が大きめの管楽器パートに対してのようなバランス具合だからか。
木管楽器の各トップが吹くソロパートを聞くと、管楽器群が充実しているオケのように思える。
ゆったり優雅な前半部から激しくアップテンポなダンス部分にさしかかると金管楽器が咆哮をはじめ、特にホルンがステージ左奥の壁際に位置しているためか、音の反射でとても大きく聞こえるが、これは意図的にそのような座席配置にされているようだ。
終盤はとても歯切れ良く小気味よいアップテンポのままエンドとなり、大きな拍手が送られていた。
20101114lesquare72曲目の運命であるが、これもとてもハイテンポな演奏で、指揮者の意図のまま、冒頭の運命の動機からとても緊張感溢れるリズムを刻んで突き進んでいく。
その指揮ぶりはとてもダイナミックで、体一杯を使って指揮台の上でダンスを踊るようなリズムの感覚が奏者にも聴衆にも乗り移り、まるでトランス状態にでもなったかのように疾走する運命交響曲であった。
ハイテンポでありながらリズムの乱れがほとんどなく、テインパニの刻むリズムに乗って終楽章のフィナーレが始まると、延々と続く運命の動機のリズムにあわせて弓の毛が切れるのも構わないほど演奏に没入する弦楽器奏者。
それに応える木管、金管楽器が絡み合う白熱したセッションのような、最近聴いたことのないほど素晴しい運命交響曲の演奏だった。
20101114lesquare8運命交響曲で、グッとひきつけられた聴衆は、メインの春の祭典で完全に打ちのめされてしまった。
演奏会で春の祭典を聴くのは本当に久しぶりで、しかもアマチュアオケでどれだけの演奏になるのか、正直なところ運命交響曲が素晴しかったにもかかわらず、奏者により高い演奏技術を要求するストラヴィンスキーの音楽。
ところが、田部井氏の指揮は、この変拍子がどんどん変化するこのバレエ音楽の難曲に対し、ほとんどダンサーに同化したごとくベジャールの踊りさながらに指揮をしてみせた。

音量が豊富な管楽器群はベートーベンではやや抑制気味であったが、このハルサイでは遠慮は無用とばかりに雄叫びを上げるが、指揮者はもっともっとと催促をするがごとくこの土着的で原始的な生贄のダンスを再現してみせた。
ダブルで組まれたティパニやグランカッサにドラまで加わったパーカッションのリズムと圧倒的なスケール感はとてもオーディオでは再現は不可能といえる。
またCDではなかなか聞き取れない弦楽器のピチカートのリズムと音程が生演奏では明瞭に聞き取れて、それが管楽器のメロディやリズムと交互に掛け合いになっているところなど新たな発見をもたらしてくれた。

生贄になるべくトランス状態となり最後の最後まで踊り狂った踊り手が一瞬の静寂の後に倒れこんだと同時に終曲となり、万雷の拍手とブラボー!の掛け声がホール一杯に木霊し、奏者も聴衆も上気した面持ちで大成功に終わった演奏会。

今日の選択に間違いはなかったと満足の面持ちで会場をあとにした。

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2010/11/13

法政大学交響楽団 第124回定期演奏会

20101113hosei1このところ仕事続きで平日はお疲れモードの小生。
11月13日の土曜日も午前中は職場で仕事を片付ける。
そんなお疲れモードをリフレッシュするのはやはり音楽を聴くことなんだ、ということで夕方に間に合う演奏会に出かけることにした。
20101113hosei2やってきたのはJR錦糸町駅近くにあるすみだトリフォニーホール
20101113hosei3今日は今年46回目のコンサートで法政大学交響楽団の第124回定期演奏会である。
今回の演奏会は、法政大学の創立130周年記念の演奏会も兼ねているとあって、1800人収容のすみだトリフォニーホールの座席チケットは当日券が30枚強しか残ってないほどの人気だったが、小生は何とか当日券を手に入れることができた。
チケットは全席自由で500円。
このような演奏会では家族や関係者などが多く、何故か大抵後ろ側から埋まっていくので、今回も前列7番真ん中のベストポジションに座ることができた。
20101113hosei4本日のプログラムは、先ず法政大学創立130周年記念の挨拶に続き、交響楽団音楽監督の福井功氏の指揮で法政大学校歌の演奏が行われた。
近衛秀麿作曲の校歌は行進曲風で格調高いもので、このような演奏会形式で改めて聴く校歌もなかなか良いものだと感じた。
さて、メインの演奏は、指揮者に田中一嘉氏を迎え、ブラームス作曲:大学祝典序曲、ハチャトゥリアン作曲:組曲「仮面舞踏会」、休憩をはさんで、チャイコフスキー作曲:交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op.74。
20101113hosei51曲目の大学祝典序曲は、今年の創立130周年記念に相応しいプログラムであろう。
2曲目の仮面舞踏会は今年、あちこちのコンサートで良く取り上げられている曲目である。
メインの悲愴は、おなじチャイコの5番に比べてアマオケで聴く機会はそんなに多くないが、演奏技術に高いものを求める難度の高さや、終楽章のエンディングが勝利で終わらないところが、学生には人気がないのかもしれないが、チャイコフスキーの生んだ傑作のひとつである。
プログラムを読むと、大学に入ってから楽器を習った団員が結構多いように書かれているが、これは他のマンモス大学のオーケストラには余り見られないことで、毎年50名以上の新人団員が入団し160名を超える演奏団体として、来年には創立90周年を迎える法政大学交響楽団の伝統というものを感じる。
20101113hosei6さてその演奏であるが、出だしの大学祝典序曲は、演奏会冒頭の大学創立130周年記念の挨拶や校歌演奏といった儀式を終えた後だけにや緊張気味で、指揮者ともに演奏に硬さが見られた。
それでも中間の展開部の頃には徐々に硬さもほぐれてきたのか、オケ全体がよく鳴るようになってきた。
この、「鳴る」という感覚を小生は、「響きあう」「共鳴しあう」「心が通い合う」という感覚に通じるものだと捉えている。
指揮者とパートトップ、パート内奏者同士、各パート同士、そしてオーケストラと聴衆が同じステージを共有して音楽を作り上げていく、その状態が徐々に感じ取れるようになっていくと、オケ全体が良く鳴っていると感じ取れるのだ。
生演奏の醍醐味の一番がまさしくこの一体感であり、小生にとってオーデイオによる再生音楽のそれも、この一体感をどれだけ持てるのか否かというところが最重点の課題でもある。
20101113hosei7さて、硬さのほぐれた法政大学交響楽団のサウンドだが、ベルベットのような柔らかい光沢を持つサウンドという印象。
指揮者の田中一嘉氏は、奏者の力量を考え、高難度を要するパッセージが続く部分ではあまりテンポを揺らさないなどの配慮をされており、その分音の大小のメリハリをつけるという演奏解釈で大学祝典序曲の祝祭性を際立たせていた。
それは2曲目の仮面舞踏会でも同様で、5曲ある組曲それぞれの中で、曲調が転換する場面以外のテンポはあまり変えなかったので、そのスタイルだとやや平板に聴こえてしまうところがやや残念であったが、それは先日プロオーケストラで、それこそ自由自在に退廃的な雰囲気プンプンに演奏されたのと比較してのことで、2曲目のノクターンでのコンミスのバイオリンソロも秀逸で、最後には満員の聴衆から大きな拍手が贈られていた。
20101113hosei8最後のチャイコ6番「悲愴」であるが、これはこのオケのサウンドの特長が十二分に活かされた演奏であった。
演奏技量の問題でやや音程に不安定さを時折見せるものの、奏者全員が真剣な眼差しで指揮者や譜面を見ながら心を一つにした演奏に、超満員の聴衆が身じろぎもせずに聴き入っている。

そこにはホール全体を包み込んでいる一体感があり、これが学生オケの演奏会の最大の良さであり、全体を通じて厚みのあるベルベットのような輝きを放つ弦楽器群と若さ溢れる鮮烈な光を発する管楽器群が絡み合う第3楽章は秀逸の出来。

最終楽章の終わりにコントラバスの響きの余韻がホールの空間に消え入った瞬間に、それこそ開場一杯に響き渡る万雷の拍手がステージ上の団員の演奏を褒め称えて鳴り止まず、最後にチャイコフスキー作曲:白鳥の湖よりフィナーレのワルツを演奏して終了した。

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2010/11/11

澤屋まつもと純米酒

Sawayamatsumoto11月も半ばになってくると、朝晩もめっきり冷え込んできて、自炊生活での楽しみ晩酌も、焼酎の水割りから日本酒比率が高まってきた。

そこで今回酒屋さんで買い求めたのが、京都伏見の造り酒屋松本酒造の造る純米酒、澤屋まつもと純米酒だ。

伏見らしい優しい呑口ながらキリっとした芯が通った旨い酒。
ひやでよし、燗でよしと、これから晩酌が楽しみである。

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2010/11/08

ブーニン・オール・ショパン・リサイタル

20101106bunin1奈良に遊んだ11月6日土曜日の夕方、大阪市内にあるザ・シンフォニーホール
今日はショパン生誕200年を記念したスタニスラフ・ブーニンのオール。ショパン・ピアノ・リサイタルの日だ。
20101106bunin2_2今日はP席側に座る。
ここは、この春にユンディ・リのコンサートで座った席に近い。
演奏曲目は、ポロネーズ第番イ長調Op.40-1「軍隊」、ポロネーズ第4番ハ短調Op.40-2、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22。
休憩をはさんでノクターン第4番ヘ長調Op.15-1、ソナタ第2番変ロ短調Op35「葬送行進曲つき」。
20101106bunin31985年のショパンコンクールで優勝して以来、特に日本での人気が高く毎年のようにコンサートを開いている。
若かったブーニンも熟練の境地に立ち、髪の毛にも白髪が目立つようになったが、1966年生まれというから小生よりも10歳以上若いのだ。
20101106bunin4開演時間になると、長身の体をタキシードに包み、ややうつむき加減の早足でピアノの前に進み、一礼してからピアノに向かい演奏が始まる。

力強く、しかも暖かいピアノの響きがホールに響き渡る。
テンポは自在に変化しながら、憂いと輝きという揺れ動くショパンの世界を紡ぎ出す。
今まで聴いたユンディ・リやブレハッチなどの若手ピアニストでは未だ表現し得ない世界をホール一杯に繰り広げるブーニンの演奏は、小生の心に染み入る。
20101106bunin5演奏が終わると万雷の拍手。
アンコールには、ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2。
鳴り止まぬ拍手に応えて最後にワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「子犬のワルツ」を弾いて演奏会はお開きとなった。

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2010/11/07

秋の古都奈良に遊ぶ

20101106nara1shosoin11月最初の土曜日朝、毎年恒例になっている第62回正倉院展を観に、奈良国立博物館へ出かけた。
20101106nara2todaiji平城遷都1300年を記念した祭りが開かれている古都奈良は、数多くの催し物や古刹の秘仏御開帳が行われている。
20101106nara3todaiji今回の正倉院展の目玉は、何と言っても、聖武天皇・光明皇后のご遺愛の品で世界唯一の古代の五絃琵琶の遺例として名高い螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)である。
1200年以上も前の楽器とはとても思えないほど光沢のある姿は、時空を超えたものが持つ独特の存在感があった。
毎年観にいっても新しい感動がある正倉院展、これからも通い続けることだろう。
20101106nara4todaiji博物館を後にして向かったのは飛鳥時代に聖武天皇が建立した華厳宗大本山の東大寺
大仏殿はいつ見ても壮大で見るものを圧倒する。
盧舎那大仏(るしゃなだいぶつ)も、その前に立つと射すくめるような眼差しを見ていると心が落ち着くのは何故だろうか。
20101106nara5toshodaiji東大寺でご朱印をいただき、近鉄電車で西ノ京まで移動し、天平時代に唐から日本に戒律を授けに渡ってきた鑑真和上が開いた律宗の総本山、唐招提寺まで歩く。
20101106nara6toshodaiji金堂は平成の大修理を終えてから初めて拝観するが、国宝揃いの仏像たちが迎えてくれる。
大屋根の隅を支える隅鬼が可愛らしい。
20101106nara7toshodaiji唐招提寺でお線香や味噌を買って、ご朱印もいただいてから、薬師寺までバスに乗って移動する。
20101106nara8toshodaiji白鳳時代に天武天皇、持統天皇により建立された法相宗大本山の薬師寺
20101106nara9yakushijiお坊さんの有難い説話を聞いていると、心が安らぐ気がする。
20101106nara10yakushiji最後にご朱印をいただいて、秋の古都奈良を満喫した一日が終わった。

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2010/11/03

都響スペシャル横浜公演・休日の午後 名曲の大海原へ・・・

20101103minatomirai811月3日は文化の日で休日。
横浜みなとみらい地区にあるクイーンズスクエアには、早くも大きなクリスマスツリーが。
これは、スワロフスキーの協賛によるクリスタルガラスのツリーだ。
歩いていると警官の姿がやけに多く、しかも熊本県警とか沖縄県警など地方から来た若い警官ばかり。
どうもこれは来週11月7日から開催されるAPECの警備のようだ。
20101103minatomirai1今日は今年44回目のコンサート。
東京都交響楽団の横浜公演、「休日の午後 名曲の大海原へ・・・」と銘打たれた、横浜みなとみらいホールで開催された、都響スペシャル横浜公演である。
20101103minatomirai2本日の公演は、指揮者にアゼルバイジャン共和国生まれのドミトリー・シトコヴェツキー氏、ピアノ独奏にフランス生まれのジャン=フィリップ・コラール氏を迎えたフランスとロシアの名曲演奏会。
当日券狙いで13時の発売時間前15分にホールに着くと、そこには既に10人ほどの列が・・・
幸いにも小生は一番安いP席狙いだったので、ほぼ狙い通りのピアノ鍵盤が見えるステージ左手側に座ることができた。
20101103minatomirai3曲目は先ず、ベルリオーズ作曲:「ローマの謝肉祭」序曲Op.9、続いてサン=サーンス作曲:ピアノ協奏曲第2番 ト短調Op.22、休憩をはさんでリムスキー=コルサコフ作曲:交響組曲「シェヘラザード」Op.35。
20101103minatomirai4ここみなとみらいホールはシューボックス型にP席が数少ないが設置されていて、ここからだと指揮者の姿がよく見えるし、今日はピアノ協奏曲もあるので、後方のB席よりもC席価格のP席の方が断然音も良いと思う。
20101103minatomirai5最初の演奏、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」序曲は、ベルリオーズの作品の中でも演奏機会も多く、お祭り気分を盛り上げる人気曲である。
都響のサウンドは、聴く機会の多い東京交響楽団と比べると、弦楽の音に厚みや重厚さがあり、芯の一本通った力強いサウンドをきかせてくれる。
テンポはやや速め、一瞬たりとも瞬きを許さないほど緩急を効かせた演奏で一気に最後まで駆け抜ける爽快感溢れる演奏だった。
弦の配置は左翼から1stVn、2ndVn、Vc、Va、Dbというオーソドックスなもので、P席側から聞くためもあるだろうが、Vaパートの音量が大きくてよく聞こえる。
管楽器群、特に金管楽器は巧く、力強く煌びやかな音色で華やかである。
指揮者のシトコヴェツキー氏は、緩急自在のタクトさばきと的確な指示が素晴しく、テンポのアップダウンで指揮棒の動きを使い分けているのもよくわかる。
プログラムを読むと、世界中の数多くのオーケストラを指揮しているようなので、客演指揮の機会が多い指揮者だからこそこれだけ明快でわかり易い指揮ぶりになったのだろうか?
20101103minatomirai62曲目のサン=サーンスのピアノ協奏曲では、長身で銀髪のコラール氏が大きな手で速いパッセージが連続するこの曲を捻じ伏せるように弾いていく。
生演奏でこの曲を聴くのは初めてだったが、とにかくオケは伴奏に徹してピアニストをひたすら立て続けるような曲で、ピアノ独奏部分が多く占めるこの曲の構成は、どこかショパンのピアノ協奏曲にも似たところがある。
徹頭徹尾ピアノが主役のこの曲を力強くホール一杯に響き渡らせたコラール氏の演奏が終わると、万雷の拍手とブラボー!の連続。
アンコールを期待するステージコールには応えてくれなかったが、それを期待する拍手が鳴り止まぬほどであった。
20101103minatomirai7休憩をはさんだメインのシェヘラザードは、アラビアンナイトの物語千夜一夜物語を題材にした交響組曲。
海を題材にした曲想がふんだんに使われていて、全楽章を通してスルタンを表す主題と妃「シェヘラザード」を表すヴァイオリンソロの旋律が形を変えて出てくる。
指揮者はその出身からロシア民族音楽の流れを良く理解しているのだろう。
その指揮ぶりは、1部のフランスものに比べると明らかに水を得た魚のように活き活きと自在にテンポを変え、緩急をつけた指揮でオケをドライブしていく。
弦楽器群の厚みのある重厚なサウンドが、この曲のような異国情緒ある楽曲にはぴったりはまり、弦楽器、管楽器の各パートトップの聞かせどころとなる独奏部を、うねるように特長あるメロデイラインと妖艶な音色で聴衆の気持ちをグッと惹きつけていた。
やや残念だったのは、独奏バイオリンを弾いたコンサートマスターの調子が今ひとつだったようで、聴かせどころのサビが効いたピロートークの声がやや上ずっていたところか。
これは当のコンマス氏もよく判っていたとみえて、ソロ部分を弾き終わる度に天を仰ぐ様が何度も。
ただこれは、この曲を良く聴き込んでいる人なら判る程度のことで、指揮者も最後には良くやったとコンマスと握手する際には、団員からも暖かい拍手が贈られていた。
20101103minatomirai9終楽章の演奏が終わると、開場からは万雷の拍手が沸き起こり、指揮者は各トップを立ててその演奏を讃えていた。
鳴り止まぬ拍手に応えてアンコールは、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」からワルツが演奏されてお開きになった。

文化の日に相応しい、充実した演奏会に満足して開場を後にした。

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2010/11/02

東京交響楽団第60回名曲全集

20101031muza1台風一過とはいえ秋雨前線の北上で肌寒い曇り空が続く10月最後の日曜日。
2日連続でやってきたミューザ川崎シンフォニーホール
20101031muza2今日は、今年43回目のコンサートとして、ここミューザ川崎シンフォニーホールを本拠地とするプロのオーケストラ、東京交響楽団の第60回名曲全集を聴きにきた。
20101031muza3定期演奏会とは一味違う本日の演奏会は、指揮者にフランス人指揮者で現在は仙台フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者も務めるパスカル・ヴェロ氏、テノール歌手に同じくフランス人のジル・ラゴン氏を迎えた、フランス音楽名曲集だ。
20101031muza4_2曲目は第1部が、ベルリオーズ作曲:序曲「海賊」、ビゼー作曲:交響曲ハ長調。
20101031muza5休憩をはさんだ第2部は、先ずジル・ラゴン氏を迎えて、ビゼー作曲:歌劇「カルメン」より「前奏曲」に続きアリア「花の歌」、続いてマスネ作曲:歌劇「ウェルテル」より第1幕の「前奏曲」に続きアリア「夢かうつつか」「なぜ我を目覚めさせるのか」

続いてベルリオーズ作曲:劇的物語「ファウストの劫罰」より「古びた冬は春に道をゆずり」に続き、アリア「だが田園をいろどるのは戦いの雄叫びなのだ」、そして有名な「ハンガリー行進曲」に続き、アリア「自然への祈り」、「鬼火のメヌエット」
20101031muza6最後にサン=サーンス作曲:歌劇「サムソンとデリラ」よりバッカナールで締めくくる、フランス音楽を堪能するプログラムとなっている。
20101031muza7指揮者のパスカル・ヴェロ氏は細身の体全体を使った優美な指揮ぶりでオーケストラを統率している。
いつも聴いている東京交響楽団に比べて音色が明るく、煌くような輝きを持つ1stVnが特長的。
それはビゼーの交響曲ハ長調で一気に爆発したような煌くサウンドが聴衆を魅了した。
フランスものの交響曲というと、サン=サーンスの「オルガンつき」や、ベルリオーズの「幻想交響曲」が有名だが、このビゼーの交響曲も17歳で書かれたという天才ビゼーの才能が開花したとても伸びやかで爽やかな曲想が好ましい。
このオケは木管楽器の巧さに比べてやや弦楽器の層の薄さが気になっていたのだが、今日のフランスものの演奏は大変素晴しいものだった。
20101031muza8休憩をはさんでステージに現われたテノール歌手のジル・ラゴン氏は、大柄な体に短めに刈上げた白髪、理知的な顔立ちが特長的。
最初に「カルメン」のホセ役で表情豊かにアリアを歌い上げて拍手喝采を貰い、聴衆を一挙に魅了した。
知性的な歌い方は純朴なホセ伍長にはやや似つかわしくない気もしたが、コンサートアリア形式ではこのような歌い方でも違和感が少ない。
マスネのウエルテル役はハマリ役と見受けられ、紅潮した顔で情感タップリに歌い上げ、引き続くベルリオーズのファウスト役では、力強い自然賛歌を歌い上げて、万雷の拍手で3度もステージに呼び出されるほどであった。

フランス人指揮者とテノール歌手により、定期演奏会ではなかなか聴く機会の少ないフランスものの名曲を堪能した演奏会であった。

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2010/11/01

出水電器11月度試聴会中止(番外編での衝撃)

20101030izumidenki1台風14号が首都圏に最接近し、JR東海道線や湘南新宿ラインに運休が出るほど風雨が強いため、予定されていた出水電器の11月度試聴会は公式には中止案内が出されていた。
14時から開演される東芝フィルの演奏会でミューザ川崎シンフォニーホールに来ていた小生の携帯に出水電器の島元社長から着信が。
「台風直撃の場合電車が止まると大変なので、大事をとって試聴会&懇親会は中止したけど、DPATSeven64の設定をSATOさんがやってくれるので、歩いて来れる範囲の人なら大丈夫ですから来ませんか?」というお誘いの電話だった。
演奏会は16時頃には終わる予定だったので、即「行きますよ」と返事をして、風雨の強まる中を西蒲田の出水電器試聴室まで向かったのだった。
20101030izumidenki4
到着すると、そこには既に社長と常連のビールの泡さんが居られて、SATOさんの作業を見守っているところだった。
7月度の試聴会でその実力に驚いたオーディオサーバーメモリートランスポートと呼ばれるDPATSeven64であるが、残念なことに8月以降は価格が大幅にアップした新製品になっている。
もちろん、機能や性能もそれなりにアップしているそうだが、基本機能に絞り込んだ設計になってるこのDPATSeven64の価格設定は、今となってみればとても破格なものだったと思う。
その機器を目ざとく導入された島元社長の眼力にも感服するが、この機器はパソコンであるので外部機器の接続やらなんだかんだと初期設定をしないと使えないということで、試聴会は中止になったがSATOさんに設定をしてもらうことになったということだ。
そうこうしているうちに風雨は益々強くなり、「やっぱり中止してよかった」という話をしていると、中止を知らない埼玉からの参加者の方が一人来場されたので、都合4名で設定作業を見守ることになった。
外付けのCDドライブには音質の良さで定評のあったプレクスター製のプレミアム2が接続されることになっていたが、今回はUSBケーブルの都合がつかず、ノートPC内蔵ドライブでCDデータをWAV形式で読み取り、USBメモリーを介してDPATSeven64のSSDに保存するという、手間のかかる方法での試聴となった。

DPATSeven64はOSがリナックスなので、最終的にはiTuneなどの音楽Dataソフトを使用してLAN回線でネットワーク化したDPATSeven64とNasに保存した音楽Dataをコントロールし、iPadなどを使った操作を目指すことになる。
そうなると、使い勝手も格段によくなるのだろう。
20101030izumidenki2出水電器に導入されたDPATSeven64には64GBのSSDが内蔵され、外部ACアダプターから12ボルトのDC電源が供給される構造になっている。
この外部電源アダプター仕様という構成は他のPCオーディオ機器にはない特長で、躯体内部にトランスなどの電源部を持たないので音質的に有利であることと共に、12ボルトDC電源をバッテリーで駆動することもできるなど発展性もあるのだが、出水電器ではこの電源アダプターを、出川式電源の12ボルト電源装置を導入することになっているので、導入後が楽しみだ。
20101030izumidenki3_2さて、苦労して設定したDPATSeven64の試聴が17時頃から2時間半行われた。

試聴は、DPATSeven64のSSDに保存されたWAVをそのまま再生と、DPATSeven64の大きな特長となっている、専用設計のメモリー上に論理的に綺麗に順番に並べた上で送り出す方式とで、順に再生する方法で行われた。

結論を先に言うと、7月度の試聴会で西出さんが持ち込まれた時の驚きどころではない、圧倒的にメモリーからの再生の圧勝であった。
SSDからの再生でも全く不満がなく音楽を楽しめるのだが、DPATSeven64の内蔵メモリーからの再生では、歪が取り去られた透明な空気に満たされたような空間の中に、格段に実在感の増した音楽が展開する。
ライブ音源では、目を閉じて聴いているとまるでそのライブ会場にいるかのように感じるほどで、これはアナログ時代の古い音源をCD化したものを持ち込まれたものでも顕著に感じることができた。

これにはその場に居合わせた参加者をはじめ当の島元社長も大興奮であったので、決して小生だけが感じたことではないことが直ぐに判った。

まだまだ初期設定が終わった段階であり、今後は出川式の外部電源や、より読み取り精度の良いプレミアム2ドライブの導入など、調整が進むとどのような音が出てくるのか。

間違いなく、今後の出水電器西蒲田試聴会は、ネットワークオーディオ再生システムの中でも最高の音質で音楽を楽しめる、最先端の場であろう。
これからの試聴会が楽しみである。

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