7月終わりの週末
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夏休みに入った昼下がりの大田区民ホール・アプリコ前にやってきた。
今日は今年14回目のコンサートで三田フィルハーモニーオーケストラの第20回記念定期演奏会にやってきた。
三田フィルは、1989年に都立三田高校管弦学部のOBオーケストラとして産声を上げて20年。
当初は三田高校OBオーケストラとして活動していたが2001年より三田フィルハーモニーオーケストラと改称し、OB以外の団員も徐々に増加して80余名に充実し今に至っているという。
今日の演奏会は、指揮者に横島勝人氏を迎え、1曲目に、J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」序曲、2曲目がシベリウス:「カレリア」組曲Op.11、休憩を挟んでチャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74 「悲愴」というバラエティに富んだ選曲。
横島勝人氏の指揮は今まで数多くのアマチュアオケで聴いてきたが、大胆な解釈で曲の聴きどころを余すところなく引き出す技量、アマチュアオケの演奏レベルを引き上げていく卓越した指導力に注目していた指揮者だけに、今日の演奏会も期待していた。
開演時刻になり団員がステージに揃ったところで団長の挨拶。
団の創立に関わった、当時の三田高校管弦学部指導者だった北海道教育大学の三澤教授にインタビュー&花束贈呈の後に演奏会が始まった。
最初のシュトラウスⅡ世のオペレッタはウィーン風の軽やかな演奏で始まった。
横島氏の指揮は両手を大きく広げ、まるで踊っているかのような軽やかな身のこなしと満面の笑みを浮かべながら、オケを指揮している。
テンポはゆったり軽やかなウインナワルツのリズムを刻み、弦楽器と管楽器がオペレッタのメロディを奏でる。
2曲目はシベリウスの「カレリア」。
これもゆったりとしたテンポで始まったが、ウィーン風とは違う白夜のフィヨルドを彷彿とさせる神秘のメロディが、北欧の夏を思わせる。
ここでは弦楽器が特徴的なリズムを刻み続けてホルンやその他の管楽器群がメロデイラインを奏でていく。
三田フィルのサウンドは華やかではないが心に響く深い音色。
その特長は木管楽器パートにもよく現われ、暖かい響きのアンサンブルが心和む。
休憩後ノチャイコフスキーが圧巻であった。
冒頭より極弱音のコントラバスの上にファゴットのメロディが重なる。
テンポは極めて遅いもののピンと張り詰めた緊張感の中、チェロとヴィオラが主題を提示して曲を繋いでいく。
しかしテンポは非常に遅い。
2楽章のワルツでも決して軽快で穏やかな楽章とは言えない一音一音に魂を込めた音楽の発露。
重く重々しく重厚で神々しい。
心に秘めたものを吐き出すかのように激しい第3楽章。
三田フィルのメンバーも横島氏のタクトに応じて、全身から音楽を吐き出しているかのような演奏には、思わず拍手が沸き起こった。
しばしの拍手の後には、再び重く重々しい終楽章が続く。
この「悲愴」はまさしくこの度の東日本大震災への鎮魂曲。
目を閉じてこの終楽章を聴くと思わず涙が溢れそうになる。
曲は金管のコラールでクライマックスを迎え、日が落ちていくように次々と楽器が演奏を止めて行き、最後にコントラバスが演奏を止めた。
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梅雨明けして、連日猛暑日の続く3連休の土曜日の午後、阪急宝塚線の池田駅を降りて五月山方面に歩くと、逸翁美術館が見えてきた。
逸翁美術館は、阪急電鉄をはじめ、阪急百貨店、東宝などの阪急東宝グループを操業した小林一三翁の雅号「逸翁」を冠して館名とし、旧邸「雅俗山荘」をそのまま展示の場として、1957年10月に開館した。
宝塚歌劇の創設と、演劇、映画における芸術活動など、実業界にありながら文化活動にも熱心だった小林一三翁
の遺志を継ぎ、阪急文化財団がサロンコンサートを開けるマグノリアホールを開業した。
今日は、今年13回目のコンサート、大阪府池田市にある財団法人 阪急文化財団が管理運営する逸翁美術館に併設された108席のマグノリアホールで開催されたマグノリア・黒川 侑&北村 朋幹サロンコンサート。
出演は、黒川侑:ヴァイオリン(2006年第75回日本音楽コンクール第1位)に、北村朋幹:ピアノ(東京芸術大2年2005年第3回東京音楽コンクール ピアノ部門第1位)という、新進気鋭の若手演奏家2人によるコンサートだ。
演奏曲目は、まず2人によるベートヴェン:ヴァイオリンソナタ第6番イ長調作品30‐1。
2曲目は北村朋幹氏のピアノソロで、シベリウス:ソナチネ第2番ホ長調作品67‐2。
3曲目は、現代音楽で山中惇史:断続。
続いて、フォーレ:子守唄作品16にクライスラー:愛の哀しみ、ウィーン奇想曲、愛の喜び。
座席数120席のサロンには、クラシックな趣のスタインウエイのグランドピアノが、そして、その前に譜面台が1台セットしてある。
自由席だったので迷わず最前列から2列目の真ん中の席に座ると、ちょうどそこはヴァイオリンの黒川侑氏から1メートルの距離。
ここは初めて来るホール。
残響は少なめ、サロンらしく眼前で演奏されるので、直接音がどう聞こえるのか楽しみだった。
お揃いの黒のシャツに黒のスラックス姿で現われた2人の体つきは若者らしく華奢で小柄だが、演奏が始まると一音一音を大切に音楽を紬だす。
ベートーヴェンはしっかりした構成が素晴しい古典に忠実な演奏だったが、この2人の真骨頂は現代音楽。
山中惇史の断続は、まるで即興演奏を聴いているかのようなスリリングな演奏で。ヴァイオリンの弓の毛が何度も切れるほどの熱演。
フォーレ、クライスラーの演奏は一転して甘いヴァイオリンの調べが美しく、思わずうっとり。
眼前で演奏される演奏に酔いしれる至福のひと時だった。
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さて、拙宅での電源工事の変化体験ミニオフ?を終えたあと、同じく出水電器のFASTアンプと電源工事をされているdaisuke邸を久々に訪問することになった。
daisuke邸へは車で10分強。
島元社長、naskorさんと伴に伺った。
この春に伺ってから何が変わったかというと、SPのセッティングがやや前に出されていてリスニングポイントとの距離が近くなったこと。
新たなセッティングに対してもレーザーセッターで正確に二等辺三角形に配置されている。
前回PCオーディオへ進出された時にはデスクトップタイプの自作PC1台だったが、現在はタワータイプを2台使用されている。
再生ソフトは、前回訪問時と変らずSTEINBERG製のNUENDO4。
プロフェッショナルなスタジオ編集ソフトだが、音質の良さは折り紙付きである。
1台はデータ格納用のNAS代わりとして、そしてもう1台はデータ送り出し用として、大容量SDメモリを使った専用PCに変身を遂げていた。
その他に変ったところをお聞きしたら、最近打ち上げられた国産衛星「みちびき」から、より正確なクロック信号を受信できるようになったということ。
ケーブル類は相変わらず完璧なシールド対策が施されていて、変化があったかどうかは見た目では判別できないが、daisukeさん曰く、以前はほとんどがオーグラインだったが、今はSPケーブルのみ残し、他のアナログケーブルは全て自作ケーブルに、デジタル同軸はマルチョウエンジニアリングのラダー型ケーブルに変更されている。
島元社長は、前回アース工事と、拙宅同様に分電盤周りのアップグレード工事を施工されて以来1年ぶりの訪問、naskorさんはそれ以上のご無沙汰ということだ。
早速リッピングされたソフトを再生していただく。
音楽が流れた瞬間思わず椅子から転げ落ちそうになった。
その音楽は、この1月に聴かせていただいた時よりも、圧倒的な音の存在感と実在感が際立っていて、拙宅でかけた同じアルバムを再生すると、再生帯域の広さと音色の色数の多さのあまりの差に、ただただ驚くばかり。
どことなくクールさを感じていた音質が随分暖かくなり、極超低域から極超高域までストレスなく再生される。
また、前回も感じたことだが、クロックの精度が高いこともあって、全く微動だにしない定位のよさが凄みさえ感じさせる。
それでいて、ヴォーカルでは血の通った人間の存在感をしっかり感じさせるので、どんなジャンルの音楽を聴いていても安心していられる。
島元社長からも、数多くのハイエンドオーディオを電源工事で体験された中でも最高水準に達したdaisuke邸のオーディオ再生に、賞賛の声が上がりました。
僅か数年でここまでシステムを進化熟成させたdaisukeさんの研究熱心さに脱帽です。
聴かせていただいたアルバムの中で印象に残ったのが、外山啓介のラフマニノフピアノ演奏。
ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調≪鐘≫ 作品3の2だ。
打鍵の余韻がリアルで、まるで眼前で演奏しているかのよう。
拙宅ではどのように鳴るのか、楽しみでもあり恐くもある(笑)
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オーディオを趣味とする人なら電源部の重要性は十分認識されていることだろう。
ソースの音楽信号を余すところなく再現するには、ここぞという場面で十分な音量が出せるダイナミックレンジや微細信号をノイズに意もれさせないS/Nの大切さ。
そこで、オーディオマニアは、強大な電源部を持つアンプを保有したり、電源ケーブルや電源コンセントをアテガウことに惜しげもなく資金を投入するのであろう。
しかし、オーディオ専用電源を引くまでに至った方はここ数年は増加してはいるが、まだまだ数少ないのが現状であろう。
投入資金たるやアンプ1台買い換えることを思えば安いものだが何故か?
新築や改築にあわせてならいざ知らず、綺麗に整えている家屋に穴を開けたりしてブットいケーブルをむき出しにするのはイヤ!という家族の冷たい視線?
余りに目立たないものだから、所有欲を満たせないから??
戸建ならともかく、マンションのような集合住宅では効果が薄いのではという諦め???
そういう方々には、小生が今までやってきた集合住宅での電源工事の話を読んで、今こそ実行に移されてはいかがですか????
最初は6年半前になる2004年12月の出水電器施工によるオーディオ専用4回路電源工事。
このときは専用電源の効果の素晴しさと、いかに一般家庭の電源環境がプアであるかを思い知ったものでした。
そして2回目は、その3年半後の2008年5月に実施した200ボルト電源化とプリ&パワーの200ボルト駆動。
FASTアンプの200ボルトトランスへの換装と出川式電源の搭載という改造をお願いした時、その納品にあわせて工事をお願いしたのです。
駆動の余裕ある音楽に酔いしれたのですが、プレーカー周りを全て非磁性体のネジに交換するなどグレードアップも実施した効果も体感しました。
そして、3回目の今回も出水電器の島元社長に工事をお願いし、ELBをより高音質が期待できるものに交換し、ブレーカーJ1シートで制振し、チタンネジで固定、電源の位相を全て正相に揃えるというグレードアップを行いました。
この工事に立ち会っていただいたのは、ご近所の音楽&オーディオ仲間でマイミクのnaskorさんとdaisukeさんです。
先週土曜日11時過ぎ新幹線で来られた島元社長に、先ずは拙宅の今の音を聴いていただきます。
数枚の音楽を聴いたところで、全てのブレーカーを落として電源工事の開始です。
先ずはメーターボックス内に設置されているテンパール製50AのELB(B-53E)をパナソニック製のBCW-50に交換。
もちろんJ1シートとチタンネジで制振対策。
圧着端子も特注品に交換です。
次に、家庭用メイン分電盤のネジをチタン製に交換、ノイズを押さえるコンデンサーを設置します。
本当はここに使われているテンパール製40AのELBも交換するはずだったのですが、オーディオ専用回線を1次側で分岐していたため、その必要なはかったようです。
さて、オーディオ専用分電盤はユニットごと交換で、時間を短縮です。
上が今までのもの、下が新しいものです。
ELBは日東からパナソニックに交換し、ブレーカーもJ1シートとチタンネジを使って固定し、回路の位相を全て同相に揃えてあるのがわかりますか?
ユニットを1つずつ交換していたら時間がかかったと思われますが、今回はあらかじめ組み上げてあるものを交換するだけなので、直ぐに完了です。
全ての工事が終わったのは開始後1時間半ほど。
早速電源を入れ位相チェックで問題ないことを確かめたらスイッチONです。
最初に電源を入れたのは、エアコン(笑)
涼しくなったところで、音楽を鳴らします。
一聴して、音の立ち上がり立ち下がりが鋭くなり、それでいて刺々しさとは無縁な、滑らかな音が出てきます。
今までの音が歪一が杯で、眠ったような音に感じますが、その感動もいずれは「当たり前の音」に感じるのでしょう。
今回の電源工事は何が変ったというよりも、今までの電源工事のノウハウを集大成した対策工事だったと思います。
しかし、今回も期待以上の激変で大満足。
最後に、naskorさんが持ち込まれたCDを聴いたところで、daisukeさんのご自宅に移動することになりました。
これも素晴しいものでした。
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