真言宗総本山・教王護国寺・東寺に参詣
秋空の広がる秋分の日に京都にある真言宗総本山・教王護国寺・東寺に参詣してきた。
東寺はもともと平安京遷都の際に、都を守る目的で創建された東寺、西寺という官寺だったが、その後、唐から密教の奥義を持ち帰った空海に対して桓武天皇より東寺を託され、日本最初の密教の総本山となったという。
西寺は今では存在していないが、東寺は創建当時のままの伽藍配置で現代に残っており、世界遺産にも登録されている。
毎月21日は弘法市と呼ばれる骨董市で境内は出店と買い物客で大混雑するほどの人出で賑わうが、普段の日は観光客が居るだけで、否が応でも広い境内であることを認識させる。
先ずは食堂でご朱印帳に参詣記念の記帳をお願いする。
建仁寺から始めたご朱印帳への記帳も少しずつ増えてきた。
今日は秋の特別拝観ということで、普段は見られない宝物も拝見できるということで、先ずは東寺の塔中の一つ、仏教研究施設という性格をもつ勧学院であった観智院を見学する。
国宝の書院造りの客殿を中心に、五大の庭や茶室の楓泉観を配した建物内をボランティアの観光ガイドが解説しながら案内してくれた。
折角だからと茶室でお抹茶とお菓子をいただく。
次に講堂で大日如来を中心にした、五智如来部、五菩薩部、五大明王部、四天王、梵天、帝釈天からなる立体曼荼羅を拝観する。
西暦794年の平安遷都から2年後に東寺の造営が始まった当初は無かった講堂は、弘法大師が密教の教えを表した曼荼羅を、大伽藍の中に大きな仏像でリアルに表現したもの。
当時の信者はこの立体曼荼羅に真言密教の教えを感じ取ったのだろうか。
現在、東京国立博物館で開催中の「空海と密教美術展」に幾つかの仏像が出張中とのことで、台座と光背だけが残され、ぽっかり空いた立体曼荼羅であった(苦笑)
東寺の本堂である金堂では、12神将が配された台座の上に鎮座されている薬師如来を中心にして、左右に日光菩薩、月光菩薩がすっくと立っている。
金色に輝く薬師如来にややふっくらとした日光菩薩、月光菩薩が神々しい。
弘法大師を祀った国宝の大師堂に参詣した後に、宝物館では、相次ぐ火災にあった東寺だが、その都度修復再建されたという巨大な千手観音像を拝見した。
こんな大きな千手観音像は初めて見たが、火災の際はどうやって救い出したのだろうか?
東寺参詣の最後は、京都のシンボル、国宝の五重塔。
徳川家光が再建奉納した高さ57メートルの塔は、間近に見上げると首が痛くなるほどの高さで、五重塔としては日本最高の塔だという。
五重塔は正月3が日には内部が公開されるというが、今日は残念ながら内部の拝観は適わなかった。
それでも、四方の軒を支える隅鬼には出会えた。
どこの五重塔やお堂でも出会えるとは限らない軒下を支える隅鬼だが、東寺のそれは必死の形相で支えている姿が、ユーモラスで親しみやすい。
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