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2011/12/31

2012年は良い年でありますよう・・・

この日記がリリースされる頃、小生は兵庫県立芸術文化センターで開催されているジルベスターコンサート会場で、カウントダウンの真っ最中です。
小生にとっては今夜が今年30回目のコンサートであり、来る2012年の最初のコンサートでもあります。

色んな出来事があった2011年。

中でも3月11日の東日本大震災は、小生が実体験した2度目の巨大地震でした。
地震とそれに引き続いた大津波が、未曾有の広範囲にわたる被害の拡大と、多くの尊い人命を奪ってしまいました。
大晦日を迎えた今日も、未だに行方不明のままの被災者のご家族、ご友人の心中は、とても心穏やかに新年を迎えることなどできないと思います。

それでも私達は、未来に希望を失うことなく、明るい未来を築きあげる努力を重ねながら、生きていかなければならないのです。
それは、若い世代が希望を失わず生きていける道標になるからだと、小生は信じています。

来る2012年は閏年、すなわちオリンピックイヤーの年です。
このブログを訪問していただいた皆さん一人一人にとって、良い年でありますようにお祈り申し上げて、2011年の締めくくりの日記とします。

それでは皆さん良いお年を!!

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2011/12/26

GRFのある部屋さん邸訪問

更なる高みへのイメージと題して平行法への道程に足を踏み出す決心をしたものの、見様見真似で行った似非平行法のセッテイングではイメージが掴めなかった。
やはりここは本丸で体験するのが一番だ。
ということで、昨日マイミクのベルウッドさんとともにGRFのある部屋さんの門を叩いたのだった。
20111225grf1タンノイGRFがあるリスニングルーム(ご本人はコンサートホールと呼ばれている)だが、他にもハートレーコンサートマスターやジャーマンフィジックスのユニコーンを保有されており、先ずは和室に置かれているユニコーンのサウンドから聴かせていただいた。
20111225grf2機器の説明はGRFさんのブログを隅々まで読めば出てくるが、送り出しはマランツのCD-34のモディファイバージョンをお使いで、プリはA&M社のプリアンプATC-2、パワーはこれも特注の是枝さん製作の真空管アンプと言う構成である。独特のDDDユニットを搭載したフロントロードホーンSPは、音を360度に放射する。
その音はあくまでしなやかでかつ速く、ホログラムのように中空に像を結ぶ。
バイポーラタイプの拙宅のインフィニティよりもはるかに鮮度の良い音楽を聴かせる現代のSPと言う印象。
20111225grf3CDプレーヤーとナグラのオープンリールデッキは特注のミニ座布団風のインシュレーターで振動を遮断されている。
20111225grf4数々のライブラリーをかけていただいたが、ピアノの響きが先日聴いた紀尾井ホールでのリサイタルのビアノ同様に楽器そのものの響きが見事に再現されていたのには驚いたし、必要にして十分な低域の特性も好ましく感じた。
また、ヴォーカルものは特徴的に実在感があったがその中でツボにハマったのがこのDISK。
テノール、カルロ・ベルゴンツィの1990年大阪のザ・シンフォニーホールでのリサイタルライブ。
20111225grf5
遅めの昼食は、ご自宅から歩いて直ぐのところにある蕎麦屋さん。
店に入ってから、先ずは日本酒を飲みながら音楽談義の続きを楽しんだ。

再び部屋に戻ってからは、今度はクリスマスに訪問するからと持参したスパークリングワインを飲みだす。
話の中心は機器がどうこうというハードの話よりも、ユニコーンが演奏する音楽を全身で浴びながら、演奏家や演奏そのものについて会話が弾む楽しいひととき。

Grfroom(撮り忘れたリスニングルームの写真をGRFさんより送っていただきました)

そして、おもむろにGRFさんがコンサートホールと呼ばれている5メートル×8メートルの大きなリスニングルームに移動して、赤ワインを飲みながらハートレーによるコンサートが始まった。
送り出しはSONYのHDD内蔵プレーヤー、真空管プリ、真空管パワーアンプ、ハートレーはウエルフロートボードに乗って、平行法の定位置にセッテイングされていた。

歳末に因んで数々の第九を演奏していただいたが、消え入るくらい微小な音からトゥッティに至る大音量までが破綻することなく再生されていたのには、正直舌を巻いた。
大口径のウーファを持つ4ウエイだが、独特の背面解放タイプのおかげで音のスピードが速い。
ティンパニの打撃音や、ソリスト、合唱団の歌唱のリアルさには、まるでコンサートホール2階正面のロイヤルシートで演奏を聴いているかのようだ。

しかし、何でも"いい音”で聞こえるわけでもなく、録音の良し悪しも全部曝け出す容赦のない一面もあるように感じた。
つまるところ、幾ら一流の演奏家であろうと、凡庸な演奏をすれば容赦もなく観客からブーイングを浴びせられる緊張感がある。

しかし、何と気持ちよくストレスを一切感じさせない部屋なんだろうか。
天上部分は高さ3.5メートル?まで確保され、そこに吸音材料をタップリ貼り付けてそれでも2.7メートル超の天井高が確保され、床はコンクリート床の上に厚い緩衝材を敷き詰めてその上に再びコンクリート板を敷いてから、カリンの無垢材を貼ってある。

演奏の途中でGRFさんが"これが平行法なんです"と嬉しそうに話しかけられたが、ハートレーが気持ちよく鳴るということはこういう事なんだと、得心がいった

結局、11時に訪問してから休憩を挟んで10時間近くも滞在し、泡ものに赤ワインを2本、最後はウイスキーまで舐めながら、音楽談義に花を咲かせてしまった。
ご自宅を辞して駅に向う時、まるでコンサートがはねた後のような高揚感を感じ、満ち足りた気持で帰宅した。

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2011/12/23

第36回オール青山メサイア公演(青山学院講堂)

20111223aoyamamessiah212月23日は天皇誕生日。
クリスマス寒波の来襲で底冷えのする青山通りに青山学院大学の門をくぐる。
今日は今年29回目のコンサート。
青山学院のクリスマス公式行事の一つ、オール青山メサイア公演の日だ。
20111223aoyamamessiah3演奏は青山学院大学管弦楽団、指揮;樋本英一、ソプラノ:松島歩、アルト:河野めぐみ、テノール:土師雅人、バス:松山いくお、合唱は青山学院大学グリーンハーモニー合唱団と学院の聖歌隊の面々だ。
20111223aoyamamessiah4ヘンデルのメサイアには様々な版があるが、今日演奏されるのは(プラウト版)。
正直、今まで聴いたメサイアはほとんどが原典版なもので、プラウト版?と思い調べてみると、原典版では管楽器はオーボエ、ファゴットとトランペットだけだったのに対して、プラウト版ではトロンボーンまで入った2管編成に拡大された、いわば大編成オケと合唱団向けの華やかさを増したメサイアだということがおぼろげながら理解できた。
20111223aoyamamessiah5さて、定刻の15時になり演奏会が始まった。
会場のの青山学院講堂は、1969年3月に完成し、普段は女子短期大学と中等部の礼拝堂として使用されているほか、入学式や卒業式などの式典、全学的な式典等で使用されている1701席の多目的ホールで、音響面ではお世辞にも素晴しい環境とはいえない。
20111223aoyamamessiah6しかしながら、そこで演奏されたメサイアはテクニックだとか音響効果だとかを超越したところにあった。
演奏すること自体が喜びであり、その場に居ることが喜びであるという、一種独特の空気に包まれていた。
小生はクリスチャンではないが、この独特の雰囲気をかつて子供達が通っていた教会付属幼稚園のクリスマスミサで感じた独特の幸福感。
20111223aoyamamessiah7独唱陣も素晴しい歌唱でこの宗教曲を進行し、この演奏会のために編成された合唱団も、歌う喜びを全面に現した心に響く歌声を響かせる。
大編成用に編曲されたプラウト版の演奏はメロデイラインが華やかで、トロンボーンが祝祭的な雰囲気を盛り上げて、合唱のハーモニーに厚みを加え、独唱陣がアリアを歌う場面では、Vn4プルト、Va2プルト、チェロ1プルト、ベースは1本と弦楽器群も小編成に縮小され、合唱部分の大編成との対比が効果を上げていた。
20111223aoyamamessiah8ハレルヤコーラスの場面ではクリスチャンの方々は起立して歌っているので、この演奏会が青山学院のクリスマス公式行事であることを思い出させてくれた。
クリスチャンの方々もそうでない方々も、今生きていることを感謝する。
そんな精神的な拠りどころを音楽に求めることも大切なことだと、しみじみと感じた演奏会。
20111223aoyamamessiah9第2部第3部の一部の曲を割愛されて演奏されたメサイア演奏会。
それでも休憩を挟んで3時間に及ぶ演奏会であったが、深い満足と充実感を味わった素晴しいものであった。
質素な佇まいのクリスマスツリー。
点灯式の模様もきっと厳かなものであっただろうと想像する。
クリスマスネオンの華やかな表参道に至近とは思えないほど静かな青山学院を後にして家路を急いだ。
20111223aoyamamessiah10

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2011/12/22

第36回オール青山メサイア公演を明日に控えて

20111223aoyamamessiah1明日12月23日(金)は天皇誕生日で祝日。
クリスマスイヴの前日にあたるこの日、東京都青山学院講堂にて第36回オール青山メサイア公演が開催されるとの情報を得ていた。

ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイア」は、クリスマス時期に相応しい名曲として、数多くの演奏会が催されているが、中でもミッション系大学チャペルで行われている演奏会は、一度は行ってみたかったもの。

今回の演奏会は、チャペルではないものの、女子短期大学と中等部の礼拝堂として使用されているほか、入学式や卒業式などの式典、全学的な式典等で使用されている1700席を収容する建物だという。

今回は、実行委員会のご好意によって、招待チケットをいただくことができた。
明日のコンサートが楽しみである。

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2011/12/21

クリスマスに楽しみたいスパークリングワイン

日経新聞土曜日の朝刊に挟み込んである「NIKKEIプラス1」の1面は、毎週「何でもランキング」という特集記事になっている。
先週の特集は「クリスマスに楽しみたいスパークリングワイン」というタイトルであった。

記事によると、調査の方法は店頭価格3000円以下で、百貨店、大手酒販店、ネット通販の売れ筋のスパークリングワイン20銘柄を候補とし、専門家に商品名を伏せたブラインド方式の試飲会でクリスマスにおすすめの10銘柄を順位を付けて選んでもらったとある。

小生はお酒好きではあるが、ワインは詳しい方ではなく、ましてやシャンパーニュに代表されるスパークリングワインには全く疎いほうだ。

そんな小生にとって、今回の特集は正しく渡りに船。
早速記事に載っていたスパークリングワインの中から気に入った1本を買い求めた。
Wine1ランキングでは7位となる、イタリア・トスカーナ地方の名門ワイナリーがトレントで少量生産しているの「フレスコバルディ・ブリュット」。
ヴィンテージは2007年のものだ。

説明によると「泡はきめ細かく豊かで上品。味わいはリンゴのコンポートのような落ち着いた果実味に、ふくよかなコクが加わった熟成感を楽しめるタイプ」とある。

価格を気にしなければ、フランス、シャンパーニュ地方の名門シャンパンを買い求めることもできるが、それではあまりに芸がなさ過ぎる。

さりげなく、気取らず、それでいて熟成された旨味が味わえれば申し分ない。

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2011/12/19

試行錯誤の結果元に戻してみた

2011年もあと10日余りで終わります。

機器の入れ替えがほとんどない拙宅のシステムも、振り返ってみれば電源周りの改善をはじめ細かなところをいじってきたことに思い至ります。

拙宅のシステムのテーマである、潤い、艶を求めてインシュ回りをいじったのでした。
P1020464それまでは真鍮の円錐をゴム足をネジ止めしている十字ネジの中心を点で支えていたのですが、拙宅の前段機器の全てが真鍮の円錐をインシュに使用していたため、同一金属特有の振動モードの影響がありそうと考えたのです。

そこで1箇所だけ変えてみようと思い、拙宅のシステムの中でも足回りがプアなゴム足という香港製のDACに京セラ製の銅&セラミック&皮というハイブリッドインシュを3点支持で使ってみました

しかし、小生が昨年来患っている低音感応性難聴の調子が最近良くなくて、純粋に音楽だけを楽しむコンサートでは問題ないのですが、音の違いを聞き分ける作業は苦痛に感じ、オーディオ耳に自信が持ててないままでした。

Organist
今回、マイミクのnaskorさんに拙宅にお越しいただき、聞いて頂いたところ、このアルバムをかけたところで待ったがかかりました。

「なんや、このアルバムの音がばらばらで、ぜんぜん鳴ってませんで・・・・・。音場の表現も薄っぺらいし、何より低音が全く出てないし、モサっとして全く音楽になってないですよ・・・・・・。」

厳しく指摘されて、小生の駄耳にとっても何だかすっきり釈然としない気持に整理がつきました。
前回電源周りのELB交換に立ち会っていだだいてから思い起こしたところ、最後に変更したのがSP下の御影石を撤去したこと。

流石に、御影石は重くて直ぐに元通りにできないので、その前に変更したインシュを元に戻してみることにしました。
P1000612そうしたところ、あら不思議・・・・・。低音域と高音域の音が揃ってきて、音楽が鳴り出したのです。

単なる音の集合が鳴っているのと、音楽が鳴っているのとではこれだけ違うのか・・・・オーディオの面白さであり恐ろしさをマザマザと感じた瞬間でした。

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2011/12/18

PORTUGALIA(ポルトガリア)

さて、中之島の東洋陶磁美術館で焼き物を堪能したらお腹が空いたので、アメリカ領事館横にあるポルトガル料理のお店「PORTUGALIA(ポルトガリア)」に行きました。
2006年7月、関西初のポルトガル料理専門店としてオープンしたこのお店のオーナー、エドワルド・ミラ・バティスタさんは、ポルトガル投資観光貿易振興庁の前駐日代表を務めたこともあり、愛知で開催された「愛・地球博」のポルトガル館館長を務めていた経歴の持ち主だとか。

バールのような気楽なお店ですが、流石に金曜夜なので予約しないと入れないほど。
オーナーやシェフと会話しながら決めていきますがポルトガルワインを飲みながら運ばれてくるプレートを食べるとどれも美味しい。
食後はデザートと甘いポルトワインを飲んで〆。

また行きたいお店が増えました。Portugalia

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2011/12/17

明代龍泉窯青磁・東洋陶磁美術館

金曜日は私用があって会社を休み、始発の飛行機で大阪の自宅に帰りました。
所用は午前中で終わったので、午後は大阪市中之島にある東洋陶磁美術館へ出かけました。

旧安宅コレクションを収蔵したこの美術館には何度か足を運んでいるが、今回は国際交流企画展として中国浙江省の龍泉窯の発掘成果を出土品が日本で初めて紹介されていたので楽しみにしていました。

明の時代(1360年代~1390年代)というと、日本では鎌倉時代が終わり南北朝の頃で、世の中が乱れていた時代。
その頃明の宮廷が定めた規格により、龍泉窯に宮廷用の官器を生産させており、規格に外れた焼き物は惜しげもなく叩き割られて打ち捨てられたといいます。
その跡を発掘した成果が今回の展覧会なので大抵が出土後に補修されたものですが、これが規格外なの?と思えるほど精緻なものですが、解説を読むとなるほど厳密には不良品であることが判ります。

官製の窯は日本でも江戸時代の鍋島がそうであったように、権威の象徴で贈答を通じて外交的役割をも担っていたようですから、たいそう厳格であったようですね。Toyotoji


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2011/12/14

紀尾井ニュー・アーティスト・シリーズ第25回演奏会

20111213kioihall1仕事帰りに向かったのはJR四谷駅近くにある紀尾井ホール
今夜はマイミクのベルウッドさんのお誘いで今年28回目のコンサート。
Yamashitakaori1
「紀尾井ニューアーティストシリーズ」の第25回公演。
出演は、チェロ独奏がカナダ国籍の山上ジョアン薫さん、ピアノ伴奏が草冬香さんという若手のお二人だ。
Yamashitakaori2紀尾井ホールは前回、ベルウッドさんに小ホールにお誘いいただいており、いずれは大ホールもと思っていたので、「招待券あるのでいかがですか?」というお誘いに、喜んで乗らせていただいたという次第。
20111213kioihall2このコンサートは、新日鉄文化財団の主催、カナダ大使館の後援で、全席が応募者抽選による招待客となっており、ベルウッドさんが申し込まれていたものだ。
20111213kioihall3紀尾井ホールの大ホールは、客席数が800席と小型の部類。
シューボックス形式で、1階席は平土間の他、両脇には珍しいバルコニー席があって、ここはステージより僅かに高い位置から観賞できる。

指定されていた席は、20列目と平土間席の中ほどのやや左であったが、ここから見るステージも遠い感じはなく、ベルウッドさんも2階席中央前列からはステージがよく見えるし音響も申し分ないと話されていた。

2階席とバルコニー席から天井までの高さは、3階バルコニー席が十分確保できるほどあり、音響的にも考慮されたシャンデリアが華やかさを演出しており、このホールなら音響的にはどの席からでも不満は出ないだろうと想像できる。
20111213kioihall4プログラムによると山上ジョアン薫さんは、2歳でカナダに移住し、3歳の時よりチェロを始め6歳で初めてのリサイタルを行ったとあるが、3歳で扱える子供用のチェロがあるのだろうかと、思わずその光景が目に浮かんだ。

その後の経歴は輝かしいもので、13歳の時にカーティス音楽院へ全額給与の奨学生として入学。その後ボストンのニューイングランド音楽院にてポール・カッツのもと2年間研鑚を積んだとある。

現在は、ソリスト、室内楽奏者として北米、ヨーロッパ、アジアの主要なコンサートホールや音楽祭に出演し、最近では2007年にモスクワで行われたチャイコフスキー国際コンクールにおいてディプロマを受賞したほか、08年にはパリで行われたヴィブラルト国際コンクールにて第2位に輝いた。

そんな彼女の才能に惚れ込んだのか、彼女が使っている楽器は、日本人の個人が所有する1682年製のジョヴァンニ・グランチーノだという。

20111213kioihall5曲目は、シューマン:アダージョとアレグロ変イ長調Op.70、ベートーヴェン:チェロソナタ第4番ハ長調Op.102-1、ドヴォルザーク:ボヘミアの森よりOp.68B133より、バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009、ブロッホ:「バール・シェム」より第2曲ニーグン、ポッパー:ハンガリー狂詩曲Op.68。

開演になり、長身の体躯をモノトーンの軽やかなドレスに身を包み、オールド楽器らしい深い色合いのチェロを抱えた山上さん、同じく長身でスレンダーな草冬香さんが登場した。
美しい・・・・・・ベルウッドさんが、この招待コンサートのチケットに応募した理由の一つが理解できた。

20111213kioihall6山上さんの演奏スタイルは客席からみると、エンドピンを長めにしグラつかないよう両足でしっかり支え、胸では楽器を支えない3点支持?のポジションでチェロを演奏しているように見える。
弓をやや短めに持ち、長い腕を使い切った華麗なボウイングだ。

音色はやや硬質で明るく男性的でさえある。
弦の響きと楽器の共鳴のバランスの微妙な揺れ加減に感情が込められているように感じる。

20111213kioihall71曲目のシューマンから一気にこの若い才能に惹かれてしまった。
元々はホルンとピアノのために作曲され、ドイツロマン派の美しい旋律で人気も高く、今年の日本音楽コンクールのホルン部門の課題曲にもなっている名曲であるが、彼女は過度に叙情に流されることもなく見事な演奏を聴かせてくれた。
伴奏の草冬香さんとの息もぴったり。

圧巻だったのは2部の最初に演奏したバッハ無伴奏のブーレからジーグにかけて。
演奏が進むにつれていつしか心に直接届いているように感じ取れる幸福感。
重音を伴ったメロディや響きの処理も完璧とさえ思える素晴らしいバッハ。

プログラム終了後には鳴り止まぬ拍手にアンコールを2曲のサーヴィス。
ラフマニノフのヴォカリーズを弾いてお開きになった演奏会。

暗い夜道を四谷駅方面に歩いていく人の波のあちらこちらから演奏会の感想が聞こえてくる。
そんな素晴らしいコンサートに招待いただき、ベルウッドさんありがとうございました。

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2011/12/11

根津美術館

20111210nezu112月2回目の土曜日午後、表参道にある根津美術館
20111210nezu2根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家である初代根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品コレクションを展示した美術館で、そのコレクションには、尾形光琳作の燕子花図(かきつばたず)をはじめとする国宝7件、重要文化財87件、重要美術品94件を含む7千点以上という。
20111210nezu3
江戸時代の大名家が明治になり経済的理由からやむなく家宝を手放していった時代。
美術品の収集に情熱を燃やしてくれたからこそ。
都心にこれだけの規模の庭園とコレクションを持つ財力もすごいですが、その日本文化を愛した心意気に敬意を表したい。
20111210nezu4現在の建物は、建築家隈健吾氏の設計。
エントランスは竹を配した一直線。
とても表参道から至近の都会の真ん中にあるとは思えないよう工夫されており、訪れる人を美術館へ誘う工夫であろう。
20111210nezu5邸内に残された素晴しい自然と調和したもので、自然光の入り具合や展示照明の使い方にも工夫が見られる。
20111210nezu6コレクションの展示も素晴しいが、邸内の広大な庭園がまた素晴しい。
先の大戦で建物全ては灰と化したというが、それから修復されたとは思えないほどの巨木の数々が残る斜面を下ると鴨が遊ぶ池には小型の屋形船までもやってある。
20111210nezu7入場料1200円を支払い、見学した展示物は、受贈記念特別展として「中国の陶磁・漆・青銅」を開催している。
個人のコレクションを譲り受けたものだというが、これだけの展示設備を持つところに寄贈する度量がある収集家がまだまだ居ることにも驚く。
20111210nezu8
20111210nezu9
20111210nezu10さて、美術品と庭園を堪能したらもう夕方。
表参道の並木がイルミネーションで眩く輝き、通りは人で押し倒したの喧騒。
その表参道に背を向けて根津美術館横の細い道を西麻布方面に進んだところに、隠れ家的なお店がある。
今夜は東京在住の高校時代の同級生に中学時代の同窓生も混じった忘年会。
20111210nezu11田舎から出張で出てきた同窓性を入れると総勢11名。
長年仕事で頑張ってきた人も居れば家庭の主婦に納まっている人も。
中には同級生同士の夫婦も居て、会話の中身は田舎の近況や同窓生の消息などを肴に盛り上がった一夜。
20111210nezu12ほろ酔いで表参道交差点まで歩き地下鉄駅に吸い込まれる前にふと天空を見上げると、雲ひとつ無い空に浮かんだ満月が、今まさに皆既月食を迎えようとしているところ。
星に願いをではないが、様々なことがあったこの2011年。
来年こそはもっと明るい希望の持てる年でありますよう、この素晴しい仲間達とまた美味い酒を飲めますように、と祈ってから地下鉄駅に降りていった。

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2011/12/09

東洋大学管弦楽団第68回定期演奏会(東京文化会館)

師走になり巷では忘年会花盛りの週末夜。
仕事帰りにダッシュでJR上野駅前にある東京文化会館へ向かった。

今日は今年27回目の演奏会。
東洋大学創立125周年記念イベントとして、東洋大学管弦楽団第68回定期演奏会が開催された。
全席自由席なので開演前には長蛇の列になるが、うまくいけば好みの席を自由に選べるのが良い。
20111209toyouniv1今日のプログラムは、指揮:井﨑正浩、ソプラノ:吉田珠代、メゾソプラノ:清水華澄、テノール:大川信之、バリトン:青山貴を迎え、演奏:東洋大学管弦楽団、合唱:東洋大学白山グリークラブ&東洋大学混声合唱団 他。

曲目はベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」Op.24 "ラコッツィー行進曲"、ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」ニ短調 op.125を休憩なしで演奏された。
20111209toyouniv2プログラムによると、東洋大学「第九演奏会」は1983年に始まり、4年に1度のペースで開催されてきたそうだが、前回2005年の演奏会後にキャンパスの一部が移転したため、オーケストラ団員の減少によって、準備ができず2009年の演奏会が見送られた経緯があったが、大学創立125周年を来年に控え、今回開催のはこびとなったということだ。

指揮者の井﨑正浩氏は現在ハンガリー在住で、国際的に活躍している中で、今回学生オケの指導と指揮を受け持たれていて、昨年10月10日に横浜みなとみらいホールで開催された慶応義塾ワグネルソサイィエティーオーケストラの演奏会で指揮されたのを聴いたことがある
20111209toyouniv3オケの配置は、左右にVnを配し、Vc、Vaを中に、D左側に置く対向配置。
オケの後になるステージ奥には合唱団とその前に独唱者4人が着席する。
ベルリオーズのラコッツィー行進曲の演奏当初はオケにやや硬さが見られたものの、徐々にほぐれてきて音量も豊かになってきた。
休憩なしで演奏されたベートーベンの第九交響曲。

指揮者の井崎氏は勤めてメリハリと学生らしい溌剌さを持ったベートーベンの世界を構築しようと意図されているのが良くわかる指揮ぶりだった。

このような満員の観客に埋め尽くされた大ホールのステージに立つのは、よほど経験を積んでいないと、普段練習している場所との音の響き方の格差で、音量が小さめになり勝ちだが、井崎氏はそれを良く理解されているのだろう。
ややオーバーアクションか?と見える指揮ぶりに従ってオケのメリハリもよく、ベートーベンの均整のとれた楽曲の構成を際立たせた演奏。
合唱団は学生と市民合唱団との混成であるが、相当訓練を積んできたのだろう。
指揮者の指示に対する反応がすごい。
オケの方はOB・OGで編成を補強した上で弦楽器パートには賛助出演も多数されていたが、こちらも相当練習をつ積んできたのだろう。
20111209toyouniv4演奏が進むにつれて演奏に没入していく演奏者につられて小生も没入していった。
学生オケ故に演奏技術には若干弱点も見受けられたが、それらを差し引いて考えても溢れんばかりの情熱が眩しいほど。

歳末には第九をという向きにも今回の第九演奏会は満足いったことだろう。

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2011/12/05

平行法への道程は・・その2

今まで交差法でセッティングしていた拙宅のSPを交差法で鳴らす。
クラシックではコンサートホールの響きを再現したい。
そのために平行法へのチャレンジを決意したのは10月の終わり

その後、東京の単身赴任宅で擬似的な平行法を試してみたのが11月初めのこと
20111203heikoho112月初めての週末土曜日に大阪のSPのセッティングを見直して、平行法へチャレンジしてみた。

先ずは、ベースに敷いていた厚くて重い御影石を撤去し、ブビンガのボード+黒檀シートだけにした。
こうすると、フローリングの上で一人でもかろうじてSPを移動させることができるようになった。
平行法のセッティングでは、リビングオーディオでは色々と不都合が出るので、普段は交差法のセッテイングに置いておき、平行法にする時に、ズリズリと前にSPを引っ張り出そうという魂胆だ。

とりあえず、前に引き出して並行に並べる。
しかし、これでいいのだろうか?
交差法に比べて、今の擬似平行法というか似非平行法ではなんとも貧弱な音響効果しか得られない。
やはり、実体験しかないのか・・・・

翌日曜日にマイミクのdaisukeさんとkotaroさんが拙宅に来られたので、擬似平行法をお聞かせしたのだが反応ははかばかしくない。
そりゃそうだ・・・・小生自身が納得行くものでないのだから(苦笑)

その後、daisukeさんのお宅へ移動して、ウエルフロートボードを導入された後の音楽を聴かせてもらう。
聞けばkotaroさんもATCのSPにウエルフロートボードを導入されたそうで、関西のオーディオファイルにも続々と導入されているのだろう。

さて、聞かせていただいたところ、床や壁からの振動伝播が遮断されたSPからの再生音が、極めて再生帯域がフラットで驚く。
部屋固有の振動モードが音へ影響するのを遮断すると、ここまでクリーンでニュートラルな音楽表現が可能になるのかと感じ入った次第。

小生もSP転倒のリスクが排除できるのなら、また平行法セッティングにあわせてフローリング上をSPを載せたまま移動させることができるなら、即刻導入したいと思わせる素晴しいボードだと感じた。

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2011/12/01

慶應義塾ワグネル・ソサイエテイー創立110周年記念演奏会

20111130wagner1平日11月30日の夜、仕事を終えてからJR湘南新宿ラインとみなとみらい線を乗り継いで到着した横浜みなとみらいホール
今夜は今年26回目の演奏会。
関東大学オケの中でも歴史と伝統を誇る、慶應義塾ワグネル・ソサィエティーの創立110周年記念演奏会だ。
慶應義塾ワグネル・ソサィエティーは1901年(明治34年)、日本で初めて音楽科以外の学生による音楽団体「ワグネル・ソサィエティー」として、誕生し、当初はオーケストラと合唱が一体となって活動していたが、現在ではオーケストラ男声合唱女性合唱の3団体が別々に活動を行っているという。
20111130wagner2今夜の記念演奏会は、創立時に立ち返って、オーケストラと合唱団が合同で開催する演奏会となっており、2000人収容の大ホールはOB・OGを含めた満員の聴衆が押しかける大盛況のうちに開演となった。
今日のプログラムは、指揮者に飯守泰次郎氏を迎え、第1部は合唱つきの演奏で、ワーグナー:歌劇「タンホイザー」より大行進曲『歌の殿堂を称えよう』(合唱付き)、ボロディン:歌劇《イーゴリ公》よりだったん人の踊り(合唱付き)。
そして第2部はマーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」というもの。
20111130wagner3定刻になりパイプオルガン側のP席に男性合唱団、女性合唱団が入場して演奏会が始まった。
左手3階バルコニー席にはトランペットのバンダが配置され、華やかなファンファーレとともにタンホイザーが鳴り響いた。
指揮者のタクトに合わせてオーケストラが音楽を奏で、合唱団が大行進曲「歌の殿堂を称えよう」を高らかに歌い上げると、開場一杯に音楽が満ち満ちて、見る見るうちにステージと聴衆とが一体になっていくのが肌で感じ取れ、思わず鳥肌が立ってきた。
前回、ここで聴いた演奏会では3階バルコニーとステージとの呼吸のずれを感じたのだが、今夜の演奏では全くシンクロした素晴しいトランペットのバンダであった。
2曲目の「だったん人の踊り」も中央アジアらしい妖しげなメロディに乗って合唱団が見事な歌唱を聴かせてくれた。
オーケスストラの単独演奏だけでも聴く機会の多い名曲であるが、やはり合唱つきは一味違う。
20111130wagner4第2部のマーラー巨人は、マーラー没後100年の記念の年に相応しい素晴しい演奏で、これが学生オケか?と思わず唸るほどの秀演であった。
各パートのトップがそれぞれのセクションを見事に統率し切っていて、日頃の訓練の成果を存分に発揮しているのがわかる。
飯守泰次郎氏の指揮は、緩急と強弱の指示を的確にワグネルを自在に操っていく。
最弱音からトゥッティまでのダイナミックレンジの広さ。
管楽器奏者にとっては一人一人の音色から演奏テクニックまでがあからさまに判る曲であり、ともすれば緊張のあまりミスも出ようかという場面でも、難なくこなすだけでなく高い音楽性を示していた。
20111130wagner5管楽器奏者だけではない。
弦楽器奏者で特に驚嘆したのは、一糸乱れず統制の取れたボウイングと運指で見事なアンサンブルを聴かせたこと。
音に濁りがないため、最弱音でも客席にしっかり音が届いてきた。

第1部から良い関係になった聴衆の反応もよく、最後まで素晴しい演奏を披露したワグネル・ソサィエティー・オーケストラに対し、万雷の拍手とブラヴォーの嵐。
OB・OG達も大満足で開場を後にしたに違いない。

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