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2015/01/30

金柑の甘露煮

新年を迎えてから、はや一月が経とうとしているが、パートナーの居ない生活が中々慣れない。
当たり前のように毎年行ってきた恒例行事を、いざ一人でとなると何だか居心地が悪い。

お正月の恒例行事は、門戸厄神から中山寺の奥之院、山を下って清荒神までを巡る三福詣りを長年続けていた。
清荒神の参道では、毎年のようにたわしを新調し、七味唐辛子を調合してもらい、そして清荒神駅前の八百屋で金柑を買って甘露煮を作るのが、パターン化しでいたので、いつか金柑を買って甘露煮を作ろうと思っていた。


先日漸く質の良い金柑を手に入れる事が出来たので、記憶を頼りに甘露煮を作ることにした。
そして一晩水に晒してから週末の今夜甘露煮を作った。


金柑を半分に切って種を取り、厚手の鋳物で出来たホーロー鍋にいれる。
金柑600グラムに対してグラニュー糖350グラム、お湯を200ml。


灰汁取り用のペーパーで落とし蓋をして弱火でじっくり1時間煮込む。
金柑が飴色になったら、芋焼酎を100ml足して5分で仕上げ。
熱々の状態で急いでジャムの空き瓶に入れて蓋をし、殺菌を兼ねて逆さまにして冷やす。


出来た金柑を見たら、何故か去年を思い出して涙が出た。

さあ、いただきます。


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2015/01/26

Bellwood邸でT4を聴く

GRF邸訪問の翌朝は、昨夜の酔いもすっかり醒めて快調な目覚めでした。



ホテルの部屋は22階と比較的高層階だったこともあり、朝日に照らされた富士山が低い雲の間に見えます。
右手遥か彼方には雪を頂いて輝く南アルプスも垣間見えます。
大阪だとこれだけ広い範囲を簡単に一望できるのは、アベノハルカス位しかありませんから、一般のホテルでさえこれだけの眺望が開ける関東平野の広大さを感じます。



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今日はまず上野の森にある東京都美術館で開催初日を迎える、新印象派展を鑑賞に向かいます。
色彩を全て点々で表現する印象派から色彩を科学的に解析して発展していく過程を一望できる展覧会。



近接して見つめれば単純な点々の積み重ねに過ぎないのが、段々離れていくうちに目の錯覚を利用して一つの絵に転ずる瞬間。
まるで単純なモザイクに見えても、遠く離れれば大きな絵画であることのように、デジタルとアナログの関係のごとく、この新印象派展は楽しめるものです。



さて、上野駅から更に北上して約束の時間に駅を降りると、Bellwoodさんが出迎えてくれました。

Bellwoodさんとは、出水電器の西蒲田試聴会で意気投合して以来のお付き合いです。
音楽に造詣も深く、オーディオは自作の金田式アンプやチャンネルディバイダーをバッテリー駆動されるなど研究熱心です。
そして、拙宅同様にオーディオ専用回路を引かれ、SONY HAP-Z1ESを使用されるなど共通点もあり、その使いこなしには以前から訪問したいと考えていたのですが、漸くそれが適いました。

駅前のショップで赤ワインを買ってからバスで自宅へ向かいます。
バス停を降りるとそこには広大な緑地が広がっている素晴らしいロケーションです。
元は陸上自衛隊の駐屯地だったのが都に払下げられてからまだ10年だといいますが、沢山の樹木が植えられていて、低いところには湧き水もあり池にはカワセミも飛来するとかで、自宅近くにこんな公園があって散歩できるなんて羨ましいですね。



Bellwood邸は頑丈な発泡コンクリートの壁面を持つ邸宅です。
奥様は外出されているとかで、2階にあるダイニングキッチンと一体となったリビングに通されました。

窓はペアガラスでフローリングには床暖房も備えられていますが、拙宅のようなマンション仕様の柔らかいフローリングではなくソリッドな戸建て仕様のものなのは羨ましいですね。
天井高もリスニング側にあるアップライトピアノの上部が吹き抜け構造になっていて、ハイサイドの窓から陽光が差し込みます。

そうしているうちにGRFさんも日本酒を下げて到着され、早速ティーをいただきながら音楽を聴き始めます。



GRF邸にあるT4とユニットは同じですが、これにはネットワークが無く、2台の金田式パワーアンプで駆動されるマルチ再生となっています。
スピーカーはレコード棚の上にサイドプレスされ宙吊り状態です。

写真では何度もこのサイドプレスを見ていましたが、実際に見るそれは本当にスピーカーが宙に浮いた状態を作り出していて音楽再生には有利だろうと思えます。

只、足回りのセッテイングには苦労がお有りのようです。
関東に多い地震の影響で簡単にずれが発生するとかで、位置調整のためのマーキングがそこかしこに。

最初にワンポイントステレオマイクで収録されたベースのソロが掛かります。
ここでGRFさんが動きました。
この演奏は丁度真正面に位置するように聞こえなければ正しいセッティングではないそうです。
確かにやや左よりから聴こえますね。

チューニングは、パワーアンプの左右のゲインコントロール、と微妙なスピーカーのスタンド位置の調整を繰り返して行われました。
その後は、ベースに加えてドラムとサキソフォンも入ったセッションに移りましたが、この録音に立ち会われたGRFさんから、あるべき位置に定位するようs調整を加えられてからは、何を再生しても良い状態になりました。

T4はそのサイズからは想像できない雄大な音が聴こえます。
昨夜聞いたCONSEQUENCEと同じ系統のユニットが積まれていることもあるかも知れませんが、同じ系譜の音がするのには感心しました。

フルオケもバロックもピアノも何でもいいですね。
小生と同じHAP-Z1ESですが、ケーブルを全てラダー型にされてから益々快調だとか。
再生途中で気に入った音源があったので、早速その場でAmazonやeBayのサイトでお買い物。
初期のプレスを探すにはこうしてアドバイスいただけると助かります。

美味しいソーセージスライスやオランダのハードタイプのチーズにオリーブをクランベリーやレーズンを練り込んだバゲットでランチタイムです。
オーストラリアのスパークリングワインを飲んだあとは、買ってきたばかりの赤ワインをいただきます。

Bellwoodさんは、iPadminiをリモコン代わりにされていましたが、途中からは再生をSACDプレーヤーに変更。
まだ内蔵HDDだけで、全てのライブラリーをリッピングされていないそうですが、HAP-Z1ESも何度かソフトウエアのアップデートを重ねているうちに、音質も満足いくレベルまで向上したそうですから、1Tの内蔵HDDだけでは到底足りませよね。

拙宅が外付け4TのHDDを導入していることなどをお話しているうちに、時間も経って帰阪するためにお暇する時間になってしまいました。
次回は拙宅の訪問を約束してのお別れで、バス停までお送りいただきました。

電車と飛行機を乗り継いで帰宅したら早速UNICORNで音楽を聴きました。
まだまだ十分に歌えてないのは、この2日間でお二人の音楽を聴いてきたからわかります。
でも、これからですよ。
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Bellwoodさん、そして2日間お世話になったGRFさん、本当にありがとうございました。

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2015/01/25

半年ぶりのGRF邸でUNICORNとDYDAUDIO CONSEQUENCEを聴く

先週末の金曜日に東京出張が入ったので、予てから伺いたかったマイミクお二人の御宅訪問が適いました。

金曜夜はGRFさんの御宅で、German PhysiksのDDDユニットを積む初期型UNICORNの鳴りっぷりを確認し、DYNAUDIOのフラッグシップCONSEQUENCEでコンサートを堪能した夜でした。
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品川のホテルにチェックインを済ませた後、生ハムやオリーブにチーズとバゲットなどを買い込んで、夜の帳が降りた道を歩いてGRFさんの御宅へ向かいます。
この道を初めて歩いてGRFさんの御宅に訪問したのはもう4年前のクリスマスのことですから、月日の経つのは早いものです。

今回は、拙宅に迎え入れたUNICORN CUSTOMのセッテイングを学ぶことの他に、とんでもない高みの音楽を聴かせてくれるというCONSEQUENCEの音を直に聴かせてもらうことです。

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電車のダイヤが乱れていたこともあって大混雑する首都圏の通勤電車でしたが、何とか予定した所要時間でGRF邸に到着。
早速和室に通されてUNICORNにご対面です。
GRFさんからは、使われているMITのアナログケーブルの長さ違いによるコメントを求められたのですが、短いものよりも長い方がより低域のバランスが取れているのは面白いですね。

GRFさんと早速赤ワインを飲みながら持参の生ハムやチーズなどを肴にGRFさんに教えていただいた美味しいバゲットを食べながら音楽を聴き続けました。

初期型のUNICORNには拙宅のに付属しているネットワークボックスが見当たりません。
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キャビネットの中に巧妙に組み込まれているそうで、そのお陰でキャビネット構造がとても複雑となっており、限定再生産された拙宅のCUSTOM仕様では外付けになったそうですが、その分キャビネット容量に余裕ができて、音質に好影響を与えていると考えられますから、今後の熟成に期待が持てますね。

プリアンプとパワーアンプは製作者は違いますが、パワーアンプは真空管のセレクトを経て新たに製作を依頼中とのことですが、小生の耳には「この音の何処に不満があるのか?」と思えました。
でも、この後でCONSEQUENCEの音を聴かせて頂いた後に思えば、現状に満足することなく更なる高みにUNICORNを導こうとされているのだと感じました。

そこに音楽が鳴ればそれで満足してしまう小生にとり、GRFさんの和室で鳴っている音楽は、これから時間をかけて成熟させていく拙宅のUNICORN CUSTOMの鳴らす音楽にとって、これからもベンチマークであり続けることでしょう。

GRFさんが用意された赤ワインは、輸入商社から直接取り寄せたイタリアのですが、リーデルの大ぶりなグラスに注ぐと、フワッと湧き上がるアロマが素晴らしい出来のワインです。
小生が普段飲んでいるワインとはクラスが違いますが、これは美味い。
あっというまに空いてしまい、二本目のワインのコルクを抜きました。
貿易商社の名前を控えるのを忘れましたが、レストランで供されれば軽く1万以上のプライスが付きそうなワインでした。

さて、2本目のワインを飲み始めてすぐに、隣にあるGRFのある部屋、今はコンサートホールと呼ぶ部屋に移動しました。
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前回訪問したときには、GRFにT4やデコラを聴かせていただいたのですが、今夜の主役はこのDYNAUDIOのCONSEQUENCEです。
一般のスピーカーなら一番上にツィータがあり最下部にウーファが付いているのが、このスピーカーは完全に上下逆転した取り付け型になっています。
独特のキャビネット構造を持つウーファーは内部でタンデムに配置されており、最上部から放射されるのでとても軽く速い低音域で、一般のスピーカーのような地を這うような重い低音ではありません。
でも、これが実際の楽器から聞こえてくる低音に近いのです。

様々なCDやSACDを聴かせていただきました。
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再生帯域がとても広く濁りのない響きが部屋全体に響きわたります。
目を閉じるとそこはベルリンフィルハーモニーホールやザルツブルグの祝祭劇場の中で2階の貴賓席に座っている感覚になります。

マーラーの復活で終楽章で歌う合唱団と天井から響くパイプオルガン声も楽器の音色がとても自然です。
オーディオでは迫力を出そうとして音量を上げると、時として耳に刺激的な不快感を感じることがありますが、このスピーカーでは迫力を求めようとする気が起こらないでしょう。

最高音域から最低音域までの全ての音が満遍なく、音楽ソースに収録されているそのまま再現されると、このような音楽が鳴るんだということでしょう。

今までこの部屋で何度も聴かせていただいたハートレーやGRF、T4にデコラ。
それぞれがGRFさんのチューニングとセッテイングで素晴らしいコンサート会場を再現していましたが、今思い起こせばそれぞれのスピーカー固有の色合いがあるのだと。
勿論それは楽器や演奏家それぞれの個性のように、どの音がが良くてどれが悪いという比較論とは一線を画す個性と言えるものですが、このCONSEQUENCEを聴いた小生にはこのスピーカーの個性は何か?と尋ねられたら、卓越した実在感を伴うリアルな再生音としか言いようがないのです。

しかし只置けば鳴るものではない。
ここまで鳴らすのに幾百通りもの試行錯誤を重ねられて到達した努力の賜物であることも事実です。

沢山の音楽を居ながらに聴ける幸せ。
いつまでも聴いて居たかったのですが夜も更けて11時を回る頃お暇した帰り道。
コンサートが終った後の高揚感と満足感をかみ締めながら、あの部屋の不思議な体験を思い出しながら、ホテルに向かいました。

さて、翌日は上野の森にある東京都美術館新印象派の展覧会を見た後、もう一人の御宅に向かいます。

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2015/01/12

位置調整その4

ユニコーンが来てから1ヶ月が経ち、その間何度も配置を変えて聴き込んでいる。


横配置

縦配置

今朝

一旦縦配置で聴いていたが、低域の量感不足を+2dbブーストしたら、どうも高域にも微妙な影響があるようで、今朝は再び横配置に変えてみた。

左右のユニット間隔は268センチ。
これ以上広げるとソフトによっては中抜け気味になり、ホールの響きの自然な雰囲気が出ない。
ラックの位置は、電源ケーブルの長さもあり、もうこれ以上左に動かせないので、いよいよ低めのラックに替え時か?

背後の壁からは24センチ。
低域のブーストも外して高域ともフラットに戻したが、低域の量感は横配置もあって格段に良くなった。
気になっていた高域のキツさが耳に付くのも緩和された。

久々にオーディオを楽しんでいる。

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2015/01/04

位置調整その3

縦配置で後ろの壁に徐々に近づける。
マニュアルによると、後ろの壁からユニットまで1.2メートル以内にセットするよう書いてある。

モノラル録音の音源を聴いてみると、歌手とオケの立体感が出てホールの響きが綺麗に感じ取れる気がする。



スピーカーの出っ張りも少ないし良い感じ。


ボンネットを開けたプリアンプも快調。


調子に乗ってスピーカーを中腰の姿勢で動かしていたら、チョット腰が痛くなったので、今夜はこれ位で終わりにしよう。

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2015/01/02

ホップ・ステップ・ジャンプ

昨年の2014年はオーディオ人生に大きな転機を迎えた一年でした。


最初のリフォームを終えてリビングルームを拡大した頃のシステム。
この頃はまだ単身赴任が続いており、インフィニティにスーパーTWを乗せたスタイルでした。

その後、2011年の年末に平行法の体験をする為に訪問したGRF邸で、初めて聴いたユニコーンの奏でる音楽に魅了される出来事がありました。




精巧な芸術品のように製作されるキャビネットは高価でもあり既にこのモデルは生産を終えており、日本への導入数も大変少ないため今では入手困難なことを知り、憧れだけで終わるかとも思っていました。



特別に初期モデルを復活生産する話があった時も、その時は自分自身がこのユニコーンを使いこなせるイメージが弱かったのです。

そして、2014年春の人生における大きな喪失感と悲しみに、生きる意味と意欲や喜びを見失いかけていた時、再び前を向いて生きて行こうと思えたのは、音楽の力でした。
音楽を聴くことで悲しみを癒し悲観的な心持ちに救いの手を黙って差し伸べてくれる音楽の力。
今までこれ程音楽に癒され生きる勇気を与えてくれるとは。

そして、そういった心の変化のタイミングに合わせたように昨年夏にGerman PhysiksのDDDユニット、Troubadour40をお借りする機会に恵まれて
我が家のシステムはDDDユニットとインフィニティのウーファーとの組み合わせに転換しました。


当初は慣らしを兼ねてお借りしただけでしたが、DDDユニットの音楽再生の可能性に惹かれていきました。

そして2014年12月。
縁があって箱入り娘のユニコーンカスタムがやって来ました。




セット当初から少しずつ慣らしを進め、徐々に美しい花を咲かせていくのを見守る毎日が楽しみで、まるで喪った大切なひとの身代わりて此の世に誕生したミューズのように思います。

2015年のはじまりにあたり、将来を楽しみに思える前向きな気持ちが生まれたことに感謝します。
そして、大切な人たちがあたたかく見守ってくれることを願います。


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2015/01/01

新年明けましておめでとうございます








2015年の新年を迎えるにあたり、謹んで皆様の御多幸をお祈り申し上げます。

昨年は様々な出来事もありましたが、皆様の暖かいご支援をいただき、人生を今一度スタートする気力を持つことができました。

今年は節目の還暦を迎えますので、人生を新たに歩んでいこうと思います。



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