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2017/01/14

PACオケ 第94回定期演奏会(兵庫県立芸術文化センター大ホール)

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PACオケの2016年~2017年シーズンも後半に入り、今年初めての定期演奏会は芸術監督の佐渡氏の指揮、藤原真理氏のVc独奏で開かれた。
開演前に佐渡氏のプレトークがあり、熊本地震に対する募金や慰問コンサートへの感謝を、自身も熊本で被災されたという姜尚中氏の挨拶があった。
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1月の定期演奏会というのはこのPACにとっては特別なものになっていることはご存知だろうか?
そもそも阪神淡路大震災からの復興のシンボルとして建設された、大中小の3ホールを擁する芸術文化センター。
そのレジデンスオーケストラとして発足したPACオケにとり、1月の演奏会は常に震災で亡くなった多くの人々への鎮魂の想いや、生活再建や復興へと前を向いて歩む人々に対する励ましを、音楽を演奏を通して実現する場になっている。
だから芸術監督の佐渡氏はいつも1月の定期に登壇してこの想いを伝えているという。
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さて、今日の演奏曲目は、ドビュッシーの小組曲。
これはもともとピアノ曲であるが、同じくフランスの作曲家H.ビュツセルが管弦楽曲に編曲したものが演奏される。
2曲目はVc独奏に藤原真理氏を迎えたハイドンVcコンチェルト第2番。
日本人チェリストとしては、堤剛に続く斎藤秀雄門下の名チェリストとして室内楽やコンチェルトで長らく活躍してきた藤原氏がどんな演奏を聴かせてくれるのか。
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そしてメインにはベートーベンの田園交響曲である。
第5番の運命が人生に苦しみ悩み格闘する姿とすれば、第6番の田園はいかにも長閑な田園風景を表す表題音楽に例えられている。
しかし佐渡氏の解釈では、運命とほぼ同時並行的に作曲家されていたというこの田園交響曲も、ベートーベンが聴力を失った絶望の中で、明るく広々とした田園風景を描き、心の中に響く田園風景の音を描写したのだろう。
それは、まるで苦しい絶望の生活の中でもそれを微塵も感じさせないモーツァルトの後期の名曲と同様に、明るい田園風景描写の内底にあるベートーベンの苦悩と葛藤の後に達観した精神を内包している、と。

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2017/01/08

2017年初のコンサートはクレメンス・ハーゲン&河村尚子のデュオ・リサイタル

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酉年の2017年、口開けのコンサートは、兵庫県立芸術文化センター小ホールで。
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出演者はハーゲン・カルテットの創立メンバーで、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院でチェロと室内楽の教鞭をとる、クレメンス・ハーゲン氏と、地元兵庫県西宮市出身で、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授として後進の指導に当たっているピアニストの河村尚子氏。
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こう書くとなんだか凄い顔ぶれに見えるから不思議だ。

小ホールへの入り口は、いったん2階に上がってから、すり鉢状になった客席を降りる構造になっている。
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今日のプログラムは、先ず、シューマン:5つの民族風の小品集、続いて、ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調。
休憩をはさんで、ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調というもの。

河村さんファンとしては、つい、河村さんが主でハーゲンさんが従のリサイタルだと考えがちだが、このプログラムはどちらかというと、3人の作曲家がそれぞれ贔屓にしているチェリストに献呈するために書いた曲であることがわかる。
だから、今日の主はハーゲンさんであるが、ピアノ譜の方も其々が当代きっての名ピアニストが書いただけあって技巧を凝らしたものだから、河村さんファンとしても十分楽しめるものである。

今日は、RA列2番という、最前列でステージを右横から観る座席に座った。
ピアノの座席の左前にチェロ奏者の椅子が置かれている。

ピアノには3メートル以内という至近距離だったので音響的にはどうか心配していたが、それは杞憂だった。
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2年ぶり位の久しぶりに見る河村さんは、心なしかやや細身になり身の熟しにも大人びた雰囲気を漂わせている、
ハーゲンさんはガッチリした体格であるがとても理知的な顔立ちである。

チューニングが終わり、最初のシューマン:5つの民族風の小品集から第1曲「空の空」から演奏が始まった。
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ハーゲンさんのチェロは気負いもなくとても知性的かつ暖かみのある音色であり、終始河村さんと演奏で対話をしながら演奏をリードする。

河村さんの演奏は大ホールで聴くよりも遥かに至近距離で聴いているにもかかわらず、耳障りな刺激音がないのが不思議だ。
透明感があって光輝く音色は以前よりも力強い印象を持った。

不思議なのは、シューマンの次に演奏されたベートーベン:チェロ・ソナタを弾いた時には、音色に重厚さが加わったことだ。
これは音楽の構造により合ったピアノの響きが自ずと出てきているのだろう。

それに比べるとチェロという楽器自体は重音による響きの違いだけなので、ハーゲンさんはボウイングで曲のニュアンスを弾き分けているから、ベートーベンでは2回も弓の毛が切れるのが見て取れた。

丁々発止で音楽が絡み合い紡がれていく様を聴いていると体がほてってくるのがわかる。
オーケストラをバックにピアノコンチェルトを演奏する河村さんよりも、このような室内楽を演奏する河村さんの方が、より深い感動を与えてくれる気がする。

休憩時間に水を一杯飲んで火照った身体を冷ましてから始まった、ラフマニノフ:チェロ・ソナタが圧巻だった。
甘く甘美な響きとドラマ性を併せ持つこの4楽章形式の曲を聴くと、大編成のオーケストラ以外にも、この作曲家の才能が余すことなく発揮された名曲だと感銘を受けた。

アンコール曲にはフランク:チェロ・ソナタ イ長調より第1楽章 アレグレット・ベン・モデラートが演奏されたが、一転してフランスらしいエスプリに溢れた演奏も素晴らしい。

こうして4人の作曲家の演奏を聴いて感じたのは、この2人が作曲家の意図を汲み上げ演奏で表現する力量の高さであり、土着的な匂いを微塵も感じさせない都会的で洗練された演奏である。

2人とも音楽大学で教鞭をとるという共通項があるにしても、独奏者としてのキャリアよりも室内楽奏者としてのキャリアの深さがそうさせているのだろうか。
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この2人の組み合わせではいずれもライブ録音で、2013年10月プラハでチェコ・フィルとの共演で、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、に、2014年5月のドイツでの演奏にカップリングする形で、ラフマニノフ:チェロ・ソナタの録音があるだけであるが、他の曲も是非録音してほしいものである。

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2017/01/03

新しいFMチューナー

FM放送は小生には欠かせない音源です。
特にNHK-FMの夜19時30分から21時10分迄放送されるクラシックライブ音源では、主にヨーロッパの国々の放送協会から提供されるコンサートライブが演奏が素晴らしい上に放送そのものの音質もCDを上回るほどで、地デジで放送されるコンサートの音質など比べものになりません。
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そのFM放送を聴くためにかれこれ20年以上も稼働してきたSONY SA5ESですが、回路設計上の宿命から熱による半導体のハンダクラックなどが起こり易く、何度も受信不能に陥ってはメーカーサービスに修理してもらってました。
直近の故障ではメーカーも修理を受け付けず、マイミクの京都人さんのご友人に修理をしていただきましたが、昨年秋頃から再び不調が始まりました。
修理出来なければいよいよ新しいFMチューナーを導入する必要に迫られて検討を重ねてきました。
昨年はデジタルアンプのSD05を導入した事もあり、FM音源もデジタルダイレクトで聴けるものがベストという結論を持ちましたが、この条件に合う機器はアキュフェーズのT1000かT1100ですが、程度の良い中古品で20万円前後という状況でオークションで網を張っていても中々良い物件に出会えませんでした。
その他にはマニアックなFPGAという基盤使ったFMチューナーが音質が良いという記事を見かけましたが、ネットで使っている方のサイトを読んでもとても小生の手に負えるものでは無いと諦めておりました。
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しかし、何気なくFPGA FMチューナーのキーワードで検索をかけていたら、港北ネットワークサービスというガレージメーカーのC-FT50を見つけました。
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これなら小生の希望する機能が全て入っている上に新品でもアキュフェーズに比べて遥かにリーズナブルな価格に感じます。
また、デジタルダイレクトの音源をエアチェックして海外の演奏会からライブラリーを作る楽しみもできました。
受注生産のため手元に届くのは2月以降になりますが今から楽しみです。
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