イリーナ・メジューエワさんのベートーベン ピアノソナタを聴く
昨日は、GRFさんの運転するCCで名古屋の中心部、栄にある宗次ホール初見参。
念願のメジューエワのリサイタルを聴く機会に預かりました。
タイトルは「ベートーベン生誕250年 特別企画、イリーナ・メジューエワ ベートーベン ピアノソナタ全32曲 リサイタルシリーズ」の第3回、第4回を昼、夜の2公演連続のリサイタルです。
昨年チケット取っておきながら行き損ねた琵琶湖ホールのライブ録音を聞いて以降、益々実演を聴きたい音楽家になっていましたが、誘っていただいたGRFさんには感謝します。
ベートーベンのソナタばかりを4曲並べた2時間余りのリサイタルを、3時間の間を空けて違うプログラムで続けて演るなんて、当初はトンデモナイプロジェクトだと思っていましたが、メジューエワさんは汗一つかかず?演ってのけました!
しかも、五線譜に書かれたオタマジャクシの一つ一つを食い入る様に睨みつけながら、ベートーベンが五線譜に書き上げた音楽世界を、メジューエワさんを介して現代に再生するように感じ取りました。
違う視点でみれば、メジューエワさんの演奏には、奏者の私的な思い入れによる楽曲の解釈は余り感じられないので、個性的な演奏や意表をつく解釈を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
しかしながら、メジューエワさんの弾くベートーベンは、200年以上も前に作曲家が構想した音楽の革新性を十二分に伝えてくれましたし、1日で8曲ものソナタを完成度のムラなど微塵も感じさせずに弾ききるという驚異的な精神の集中力が聴衆に伝播して、とても補充した心地良い疲労感を味わいました。
惜しむらくは、宗次ホールの箱がやや小さくてピアノの音が飽和する場面があったことですが、ホールの運営がとてもアットホームな雰囲気で好感が持てました。
交通の便も良く、ホールから地下鉄東山線の栄駅までは徒歩で10分も掛からず、2駅先の名古屋駅で新幹線に乗車したのはホール前でGRFさんと別れてから35分後でしたので、21時30分迄に終演するリサイタルなら、東京からも十分日帰り可能なホールです。
室内楽中心のリサイタルが数多く開かれていますので、コレからも機会があれば聴きに行きたいと思いました。
GRFさん、お誘いいただきありがとうございました。
2019年10月25日 名古屋市 宗次ホール
イリーナ・メジューエワ ベートーベン ピアノソナタ全32曲リサイタルシリーズ
第3回 14時開演
ソナタ第9番ホ長調Op.14-1
ソナタ第3番ハ長調Op.2-3
ソナタ第11番変ロ長調Op.22
ソナタ第26番変ホ長調Op.81a「告別」
第4回 19時開演
ソナタ第4番変ホ長調Op.7
ソナタ第22番ヘ長調Op.54
ソナタ第16番ト長調Op.31-1
ソナタ第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」
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