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2025/03/24

春のお彼岸墓参りロングドライブをアウディで

毎年春秋のお彼岸にカミさんの実家に墓参りに行くのを恒例行事にしています。

今回からシトロエンC5ツアラーからアウディA4オールロードクワトロに変わりました。

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高速料金節約のため画像にあるコースを辿る片道420Km弱を、休憩入れて5.5時間で走破しているのですが、今回から愛車がシトロエンC5ツアラーからアウディA4オールロードクワトロに変わりました。

車両が変わると何が変わったのかを列挙しますと以下のようになります。

エンジン 1.6Lガソリン115KW,240N→2.0Lガソリン+モーター183KW,370N
トランスミッション 6AT 最終減速比4.101→7AT 最終減速比4.410
駆動方式 前輪駆動→四輪駆動(低負荷通常走行ではFF)
燃料タンク容量 71L→58L
車重 1,680Kg→1,660Kg

ここまでが走行性能及び燃費に関わる項目ですが、C5ツアラーの頃は自動車道や高速道路を巡行する限り、燃料満タンで1,100~1,200Kmを走破出来たので、奈良まで往復しても52~55Lを消費するだけで、ガス欠の心配などしたことはありませんでした。

アウディの場合排気量が大きく馬力やトルクともに高出力なのでシトロエンより省燃料なエンジンだとは思えませんが、トランスミッションの最終減速比が高いのと、巡航時には後輪駆動を切り離す機構があるので、最終的な実燃費がどこまで伸びるのか?期待しています。

計算上では58L満タンで往復840Kmを走破するには実燃費が14.5Km/L、累積の実燃費が15Km/L台であれば870km走行出来る計算になるので、ガス欠の安全をみて出来れば15.5Km/L以上に燃費が伸びてくれると嬉しいのですがさて??
往路を走行して残りの走行可能距離の表示をみてから、帰途に給油するかしないかを判断しようと思います。

その他ドライブの快適安全装備の違いをみると以下のようになります。

サスペンション ハイドラクティブ3(エアサス)→一般的サスペンション
シート ファブリック→レザー
クルーズコントロール ACC無し→ACC有り
レーンキープアシスト 無し→有り

ここまでの違いだとサスペンションとシートの快適性はC5ツアラーに軍杯が上がりますが、走行のほとんどが自動車道と高速道なので、ACCの有り無しが交通量の多い高速道での前車追随走行機能による運転の疲れ具合がアウディに軍杯が上がりますから、総合的な運転の快適性では何方に軍配が上がるのかは帰ってきてから判断しようと思っています。

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先週の土曜早朝6時前に出雲を出発して一路奈良県南部までのロングドライブ。

天気は快晴で気温も上がり、前日まで暖房が入っていた車内も強い日差しでエアコン冷房が働いています。

早めに出発したおかげで、山陰道無料区間も快適なペースで走破でき、中国道問題なしに大阪府に入ると反対車線の下り線側は行楽?の車で渋滞していたので、近畿道の松原方面で渋滞に巻き込まれるかと心配しましたが、幸いにも松原JCT手前で少し混んでいただけで済みました。

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往路の所用時間は途中休憩2回を入れて5時間半弱、実走行時間5時間で走破して、メーター上の燃費は18.1Km/Lと嘘だろ?というほどの高燃費。

残り走行可能距離も550Kmと無給油で往復出来そうですね?


無事に墓参りを済ませた翌朝の復路は、9時過ぎに奈良を出発して途中吹田で近畿道を降りて一般道を走り、豊中で以前住んでいたマンションの友人を訪問し、GSで給油と酒屋でドイツ製ホワイトビールを2ケース48本購入して16時頃無事帰宅しました。

帰宅前に地元のGSで給油したので、今回の出雲奈良往復の燃料消費量を満タン法で計算しました。
その結果は、、、、?

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なんと!シトロエンC5ツアラーの時と変わらないどころか、それよりも良い燃料消費量を記録しました。

それに関係して特筆しておきたいのは、C5ツアラーでは常に往復830Km強の走行距離と表示されていたのが、アウディA4オールロードクワトロでは地元のGSで給油後に撮った画像のとおり802Km!
GSから自宅まで5~6Kmあるのを足しても、20Km以上トリップメーターの表示に誤差が出ていました?

因みに出発前日満タン給油してから途中給油の豊中と出雲着後のGSでの給油量合計は28.35L+17.3L=45.65Lで、走行距離は上記に対応して491Km+311Km=802Kmとなり、トータル燃費は802Km÷45.65L=17.56Km/Lの成績でした。

往復で45.65Lの燃料消費量だったので、タンク容量58Lの78.7%を消費したことになり、このままガス欠まで走るとすれば計算上58L×17.56Km/L=1,018Kmとなり、無給油でも出雲から奈良県南部まで往復可能で、しかもあと200Km走行可能だったことになります。

以前のシトロエンで同じコースを走行した際の燃費は15.55Km/Lが最良でしたので、アウディの17.56Km/Lの成績には正直驚きました。

出雲での給油後の画像では走行可能距離の表示が950Kmなので、車載コンピューターも直近の走行データを反映して走行可能距離を表示しているのが確認出来ました。

ここからは燃費以外のロングドライブの快適性の感想です。

アウディのACC機能は一部を除いて概ね満足出来る性能が確認できました。
前方車両の認識はオートバイであっても認識して車間距離を一定に保って走行しますし、走行時に前方へ合流のため割り込んできた車両もしっかり認識して、必要であればブレーキをかけて車間距離を保ちました。

なので、高速道と自動車道のほぼ全線をACCを作動させて走行しましたが、自身でブレーキを踏む機会は休憩でSAに入る時と、急カーブで減速が必要なJCT通過時のみで、ほとんど使うことはありませんでしたから、これは追突の心配なく全車追随走行でもリラックス出来ました。

不満があるとすると、クルーズコントロールの設定速度に対して実速度の維持について精度が以外に低いことです。
走行中トランスミッションが駆動と切り離されて慣性走行になっている状況では、下り坂で設定速度を超過するとすぐに慣性走行を中止してエンジンブレーキを掛けるのですが、逆に設定速度から徐々に速度が低下しても5Km/H程度低下するまで速度調整機能が働かないうえ、一旦速度調整が働くとショックを感じるほど加速しようとするのには、不快感を感じました。

シトロエンのクルーズコントロール機能はACC機能はありませんでしたが、設定速度に対して±1Km/Hの範囲で微妙に調節されていたので、全く不快感もなく一定速度を保っていたので、アウディのクルーズコントロール機能ももう少し緻密でスムーズな速度調整をしてくれると、よりリラックスできるのですが?

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2025/03/14

セラミックツイーター本領発揮後でも調整次第でまだまだ先がありました

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ユニコーンと組み合わせたAccuton社の30ミリ径セラミックツイーターの低域側カットオフ用として、耐圧の高いデンマークJantzen Audio製0.68μF 800V耐圧のSilver Z-Capタイプというフィルムコンデンサーをすることで、ユニコーンから今まで聞こえることの無かったコントラバスの胴鳴りやグランカッサのマレットのトロモロから聞こえる最低音域が充分な音量で鳴り、パルシヴなティンパニーの打撃音や弦楽器の弓の摩擦音などが生々しさを感じさせるように聞こえるようになりました。

これは単にコンデンサーを交換したからだけの効果でないことも事実です。

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それは、コンデンサー交換の為セラミックツイーターを取り外したユニコーン単体で、音場が綺麗に出る位置調整をやり直したことです。

今までのユニコーン位置調整は、GRFさんに教えてもらったリタ・シュトライヒのソプラノと伴奏のオーケストラがモノラルで収録されたトラックを使用して行い、その他にはFM放送でモノラル収録されているニュースや天気予報のアナウンサーの音声を使っていました。

FM放送のアナウンスはセンターに位置して聞こえるかどうかを確認するにはうってつけの音源ですが、やはり音楽信号を使って位置調整したいので、実際はリタ・シュトライヒの歌唱が実在感を持って聞こえるのか、伴奏のオーケストラの響きが音程によってソプラノの聞こえる位置に比べて左右にブレて聞こえたりしないか?などと聞き取るポイントを幾つか確認しながら調整していました。

しかしながら、私は右耳に低音感応性難聴の疾患を抱えていて、様々な楽器の音色や音程が含まれる音源を音楽として楽しむのなら問題なくても、位置調整という検聴目的で微細な差を聞き取ろうとすると、とても疲れるのが悩みです。

なので、根気よく位置調整を繰り返して最適と思えるポイントに辿り着く迄に根尽きてしまい、「まぁ?この辺りでいいかなぁ?」ということが多かったように思います。

今回、新たに位置調整のために用意したのは、ロストロポーヴィッチが弾いたバッハ無伴奏チェロ組曲のモノラル録音のものです。

これは1955年に第10回プラハの春音楽祭での演奏会を、チェコ放送局が収録したライブ音源をデジタルリマスターしてCD発売されたものをいただいたものです。

チェロの音域は聞き取りやすいことと高音域から低音域まで幅広いので、このモノラル音源なら単一楽器として聞き取り易く、位置調整にはピッタリだと思ったのですがその通りでした。

リタ・シュトライヒの音源では曖昧だった位置のズレ、具体的にはやや左側に音像がズレていたのですが、チェロの無伴奏を聞くとハッキリと左に引っ張られる感覚があったので、その引っ張られる感覚を解消して自然にセンターに位置するように位置調整しました。

これが大正解で、その後にリタ・シュトライヒのソプラノを聞いてヴォーカルの口のサイズが違和感の無いよう微調整するだけで、自然な音楽が聞こえるようになったので、再びセラミックツイーターを接続してからのツイーターの位置と角度調整が格段にし易くなったのです。

ユニコーンとセラミックツイーターとのセットから聞こえてくる、音楽がピッタリ合った状態というのが、先日書いたセラミックツイーター本領発揮やその後のデジタルFMチューナーアップグレード後の音質向上の記事なります。

ただし、ユニコーン位置調整もこれで終わりではなくて、微調整でガラッと変化するということは日々の微細な位置の変化で音が変わってしまうということでして、先日、ユニコーンの平行度を確認したらズレがあったので、そのズレが左右のユニコーンが一直線に並んで平行になるようにと、数ミリ単位で調整したところ、ガラッと音の出方が変わってしまったのです。

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それはまるで慎重に積み上げてきた積み木が一瞬で崩れ去ったような気持ちでした。

ユニコーン単体での位置調整に僅かなズレを残したままでも、セラミックツイーターの位置調整次第では、セラミックツイーターの指向性によって音場の調整はある程度出来るのですが、それはユニコーンがピタッと合った状態に合わさったセラミックツイーターではなく、両者の間に僅かなズレが発生しているということで、一度でもストレスのない音を聞いてしまうと何かしらの違和感を感じてしまうのは事実でした。

ここ数日は二日酔い?の影響で体調が万全ではなく根を詰めた位置調整を控えていましたので、今日は確認音源を繰り返し聞きながら最適の位置を求めて調整を進めています。

GRFさんのアドバイスだと、右側のユニコーンを間隔を拡げる方向に位置調整して行ってたのを元に戻す方向に位置調整して、打ち消し合いが無くなりストレスなくなる位置を探すようにということでした。

そこで僅かに膝で押す程度の位置調整を行ったところで、チェロの響きがフワッと広がるような感じになるポイントがありました。

チェロ無伴奏からリタ・シュトライヒに切り替えて聞いてみても良い感覚でしたので、このままFM放送の天気予報を聞いたところでも音場がセンターに位置して綺麗な響きを伴って聞こえます。

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これで、新たな実験を検証する基礎が整いました。

それは、同じJantzen Audio製800V耐圧のSilver Z-Capコンデンサーですが、容量が0.68μFを並列にした1.36μFから単体で1.5μFの容量のに変えることです。

これも、GRFさんの先行実験でも「1.36では19.5KHzだったカットオフ周波数も、1.5だと17.67KHzまで降りてきます。わずか2KHzの違いですが、音はガラリと変わります。音は全体的に元気になりますね。」

ということで、ユニコーンとセラミックツイーターとの組み合わせでは1.36μFと1.5μFを比較すると、ユニコーンの帯域に重なるセラミックツイーターの帯域が僅かに下に降りることで音圧も僅かに上がる効果が、この音の変化に現れているのでしょうね?

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ケーブルにコンデンサーのリード線をハンダ付けしている箇所をハンダコテで溶かして、コンデンサーを1.5μFのに差し替えすればコンデンサー容量の変更完了。

ユニコーン単体での位置調整も終えているので、ツイーターをバイワイヤリング接続に戻して試聴します。

先ずは、最近良く視聴していた地デジ録画したラトル指揮バイエルン放送交響楽団によるマーラー第7番夜の歌から。

1.36μFで聴いていた時よりも音のエッジが立ったように聞こえますが、PARC Audio製の1.5μFを使った時のように音色の明度が上がり腰高になることもなく、低音域ではコントラバスの胴鳴りやティンパニーの打撃音がよりリアリティを持って聞こえるようになり、弦楽器のボウイングで弓が弦を擦る高音域のアタック音も感じ取れるようになりました。

続いて、FMエアチェックした同じ演奏を試聴すると、これも地デジより更にエネルギッシュな演奏を聞かせてくれます。

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GRFさんから、コンデンサー交換で極低音域がとてもリアルに聞こえるようになったと聞いていた、ベルリンフィルのデジタルコンサートホールのアーカイブを視聴しました。

オルソップ指揮ベルリンフィルがオーストラリアの森林火災から着想を得たという、ディーン作曲ファイアーミュージックの演奏で使用されている、大きな鉄板をコントラバスの弓で擦る極低音や、シンセサイザーの地を這う低音、地響きのように響くグランカッサのマレットによるトレモロ等々、遠くの森林火災が徐々に燃え広がり近づいてくる恐怖感を、肌に感じるような音が聞こえてくるのです。

同じJantzen Audio製800V耐圧のSilver Z-Capコンデンサーでも1.36μFと1.5μFとの差は、音質面ではそんなに差を感じませんが、総じて低音域の充実に加えて中音域にエネルギーが増して、音のメリハリがハッキリしたようになる変化を感じさせるようです。

この変化を改善と捉えるのかは好みの問題なのですが、同じ音楽ソフトを繰り返し聴いていれば、このメリハリ感を煩わしいと感じる可能性はあるかも知れませんね。

しかし、今までの私のように、生演奏で聞くコントラバスやティンパニーの音と、自宅のオーディオで聞く音との厳然とした差に愕然としていたのが、今回のコンデンサー交換後の音であれば、十分満足できるようなエネルギッシュな音が聞こえてくるようになったので、当面はこのままで聴き続けて次回の生演奏でどう感じるのかを楽しみにしたいと思います。

しかし、オーディオの世界はこれで終わりということが無いのを、今回つくづく思い知りました。

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2025/03/08

サイモン・ラトル指揮バイエルン放送交響楽団のマーラー交響曲第7番「夜の歌」をFM放送からデジタルエアチェック

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昨夜(2025年3月7日)のNHK-FMで放送されたラトル指揮バイエルン放送交響楽団のマーラー交響楽曲第7番「夜の歌」は、既に地上デジタル放送でNHK音楽祭の2024年11月公演の模様が放映されていました。

演奏会が行われたNHKホールのコンサート収録は、毎度のN響定期演奏会が同じく地デジで放映されていて、録画した演奏を楽しんでいたのですが、世界でもトップクラスのオーケストラから聞こえてくる音楽の迫力の違いを感じさせる素晴らしいものでした。

そうしたところに昨夜のFM放送での放送です。

このところFMチューナーのアップグレード後に音質が格段に良くなったと感じていたところなので、5.1chの圧縮音声で送信されている地デジの音質と、2ch FM波で放送されたのをデジタルFMチューナーで96kHz/24bitで復調したのとでは、音質にどのような違いがあるのだろうか?

興味深く放送を聞きながらリアルタイムでのデジタルエアチェックに臨みました。

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放送で聞こえてくるバイエルン放送交響楽団の演奏は、セラミックツィーターのコンデンサー交換で定数変更の効果があったのか、FM放送ではかつて聞いたことのない深い低音やパルシヴな打撃音が、マーラーらしさを全開に聴かせてくれました。

地デジの録画再生だと映像による視覚の効果もありますので単純比較はできませんが、映像抜きとしても音質が良くなったFMチューナーの効果も有るのでしょうが、ダイナミックレンジもより大きくS/Nでさえ優れているように感じます。

たまたま同じ放送を収録した放送を聴き比べすることが出来て、比較できたのは個人的にも大きな収穫でした。

FMチューナーのアップグレードサービス様々ですね。

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2025/03/06

デジタルFMチューナー (Conclusion C-FT50) アップグレード後の音質向上(その2)

前回からの続きです。

FM放送の音質が良くなったと感じる理由には、もう一つ理由がありました。

それは、既に「セラミックツィーターの本領発揮」という題の日記にも書きましたが、Accuton社の30ミリ径セラミックツィーターに合わせるフイルムコンデンサーを、より高圧に耐えるタイプに交換して音質向上を果たしたことです。

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セラミックツィーター導入当初から、GRFさんの先行実験の成果を取り入れながら追いかけるように追試を行っていて、それは、PARC Audio製が400V、SOLEN製が600Vで1.5倍、Jantszen Audio製が800Vで2倍になので、より耐圧の高いデンマークJantzen Audio製の0.68μF 800V耐圧のSilver Z-Capタイプのフィルムコンデンサーを、ユニコーンに合わせるツイーターに使用したところ、音質が圧倒的に良くなったのです。

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これには、ツィーターへのスピーカーケーブル配線をバイワイヤリングの基本通りに配線し直したことや、スピーカーケーブル自体を6ミリ径のGerman Physiks純正指定銀メッキケーブルに変更したことなどの要因も有るとは思います。

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FM放送は勿論のこと、BSや地デジで放送され録画していた音楽番組の音質も、ベルリンフィルやYouTubeなどのストリーミング配信の音質も、聴く音源全ての音質が向上して聞こえる様になったのですから、2012年12月にユニコーンを迎え入れて以来待ち望んでいた素晴らしい体験ができる様になったのです。

しかし最近になり、NHK-FMで放送されたコンサートを96/24でエアチェックした音源と、同じコンサートをテレビで録画した音源とを聞き比べる機会があった時、改めて気付いたことは、FM放送の方がテレビ録画の音よりも良いということでした。

この音源はFMチューナーのアップグレード後にエアチェックしたものでしたので、前回の日記にも書いたとおり、FMチューナーの受信レベルが今まで66〜67dbだったのが僅かですが2db程向上したことも併せ、FPGA基盤の交換に際してマルチパスノイズキャンセル機能の実装以外にも、音質の向上に繋がるような改良が施されているのでは?という疑問に答えを求めたい、という欲求が強くなりました。

そこで、(株)ConclusionのWebサイトのお問い合わせフォームから、アップグレード後に上述のような音質向上を感じているが、それはプラシーボなのか?それとも何か技術的な改良が加えられているのか?という趣旨の質問をさせていただきました。

すると、数日のうちに技術担当者の方から詳細な回答を測定データグラフと共にいただきましたので、改めて、個人名等を伏せる加工をした回答文を日記に掲載する許可をいただきました。

Conclusion 技術 よりお答えさせていただきます。

弊社の FPGA 方式の FM チューナーをご愛用いただきましてありがとうございます。
この度は C-FT50 アップグレードサービスをご利用いただき、「音質面で以前より鮮度感が向上し、体感上のダイナミックレンジも拡大」とのご感想をいただき、大変うれしく思います。

弊社の FPGA 方式の FM チューナー・シリーズでは、最初の製品である C-FT50 からすでに「ダイレクト・サンプリング方式」という、最新のデジタル信号処理方式の受信機 (SDR:Software Defined Radio とも呼びます) として設計されています。

このダイレクト・サンプリングという方式は、アンテナで取り込んだ FM 帯の放送電波を、アナログ回路の周波数変換回路によって一旦、低い周波数 (10.7MHz や24.576MHz といった中間周波数と呼ばれる周波数)に変換して処理するのではなく、放送電波の周波数(東京の NHK-FM であれば 82.5MHz) のまま、高速な A-D コンバータを用いてデジタル信号に変換し、A-D コンバータ以降の信号処理は、すべて、FPGA 上の高精度なデジタル信号数値処理として行われる方式です。

オーディオ機器への接続を、デジタル出力をそのままデジタルアンプに入力し再生、あるいは、デジタル・エアチェックをされるのであれば、余分な A-D/D-A 変換作業を一切含まない、理想的な信号伝送・記録を行うことができることになります。
このダイレクト・サンプリング方式は、アップグレード前の C-FT50 においてもすでに採用されていた方式ですので、今回の音質の変化に直接関与しているわけではありません。

今回のアップグレードでは、いままで使用していた、ロジックのサイズ (ロジックゲート数) が 8 千ゲート相当の FPGA から 2 万 5 千ゲート相当の最新 FPGA へ交換する作業を行っています。
使用可能なロジックゲートの数が約 3 倍に増えたことから、以前の 8 千ゲートだけでは到底実装することができなかった MPC (マルチパス・キャンセラー) を搭載することができました。
すでにマルチパスが十分に小さく抑制できている環境では、MPC を使用することによる恩恵はありません。
しかしながら、MPC 以外の主要な信号処理回路につきましても、使用可能な回路サイズが飛躍的に大きくなっておりますので、信号の処理精度を高めるために多くのロジックゲートを費やすことが可能になりました。

今回のアップグレード作業におきましては、MPC 以外の信号処理ブロックに関しては、そのほとんどを一から設計し直し、より最適な多ビット幅の採用、信号の丸め方法 (ビット幅を変化させて信号を接続する際に必須の作業) の見直し、さらに、フィルター特性の見直しと特性近似の精度の向上、係数のビット数増、といった種々の改良を加えてあります。

これらの改良による特性の変化につき、代表的な例を添付の資料 にてお示しいたします。

1 ページに示しているのは、周波数特性の改善の様子です。
もともとの C-FT50 におきましても、きわめて平坦な周波数特性を誇っておりました。
しかし、特性を拡大いたしますと、わずかな「さざ波様」の振れが存在しておりましたが、フィルター係数のデータ数、ビット数が増大したことで、より、周波数特性の平坦度が上がっていることがご覧いただけると思います。

2 ページ目に示したものは、セパレーション (分離度) の特性です。
こちらはもともとの C-FT50 でも限界に近い (測定結果が「漏洩」ではなく、ノイズレベルによって制約される) 状況であったため、改善の余地はわずかであり、大きな変化は認められません。

3 ページに示すのは「RF 信号入力対復調出力の SN 比」のグラフです。
このグラフは本来、FM 変復調の理論から完全な、45 度右上がりの「直線」の形を保っていることが重要であり、その直線部分の位置がなるべく上方、あるいは、左側に位置することが、同じ RF 信号レベルであっても SN 比が高い (=ノイズが少ない) ことを意味しますので、すなわち「感度が高い」ということになります。

今回、FPGA 基板を交換するにあたり、FPGA 基板を搭載するマザー基板側にも銅板を使用する強固な GND 接続を追加、低 ESR のセラミック・コンデンサの投入、等々の改造を実施しており、この「RF 信号入力対復調出力の SN 比のグラフ」の直線性の向上、飽和 SN 比の数値の増大といった、感度面での改良を見ていただけると思います。

このような測定可能な特性の向上が音質面に直接、明確な改善を与えるとは限りませんが、開発者としましては、お感じになられた「アップグレードによって音質が良くなった」というご感想は、決してプラシーボ効果ではないものと信じる次第です。

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以上の詳細な回答をいただいたので、私の感じていたことがあながちプラシーボだとは言い切れず、MPC実装を目的としたアップグレードサービスを受けたことにより、FPGA回路規模が8kから25kにと3倍以上に拡大され、併せてマザー基板の改良が施されたことが要因だと言えると思います。

MPC機能の実装のみならず、FM電波を音楽信号に復調するロジックがより緻密で理想に近づくようなプログラムが実装された、等々の改良が音質面での明らかな改善がみられるという感想を裏付けることになり、これは提供された測定値のグラフでも、周波数特性の改善やS/Nの改善に現れていますね。

最後になりますが、今回10年前に購入した初期タイプのデジタルFMチューナーが、最新のFPGA基板への交換というアップグレードサービスを受けることで、文字通り現在最高レベルの音質を持つFMチューナーに生まれ変わったことは、FM放送を高音質で楽しみたいと願っている私にとって望外のプレゼントになりました。
全ての従来型FMチューナーで音楽を楽しんでいるユーザーは、是非このデジタルFMチューナーの高音質を体感して欲しいです。
かつて全盛期があったエアチェックがデジタルFMチューナーによって、高音質で再び楽しめるようになったのは嬉しい限りですね。

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デジタルFMチューナー (Conclusion C-FT50) アップグレード後の音質向上(その1)

昨年秋に使用しているデジタルFMチューナー (C-FT50) のメーカーである、(株)Conclusionから、マルチパスノイズキャンセル (MPC) 機能の装備を目的としたアップグレードサービスの案内があり応募したことは、以前の日記にも書きましたが、今回はその後の展開についてお話しします。

アップグレードサービスの案内文書によると、このデジタルFMチューナーの心臓部にあたるFPGA (Field Programmable Gate Array) という集積回路の基盤を最新のものに交換することで、初期型のC-FT50のFPGAには実装されてなかったMPC機能を実装するというものでした。

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私のFM放送受信環境は、高層階のマンションベランダにFMアンテナを建てて、そこから30Km先の山頂に設置した送信所からのFM電波を受信しています。

マンションから山頂までの間には高い障害物はないものの、大都会の送信所と違って出力が小さく受信感度が僅かに低い数値であることや、中間点に民間航空用の飛行場があるので、管制塔から発信される航空無線などの電波ノイズ発生源が、受信環境に悪影響を与えているのでは?という懸念を抱えていました。

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なので、仮に音質に影響を与えるほどのマルチパスノイズが乗っていても、アップグレードサービスを受ければMPC機能を使って音質向上が図れるのでは?と考えたのでした。

そして、(株)Conclusionでアップグレードサービスを受けるためFMチューナーを送ったのが、今年 (2025年1月) の正月明け14日のことでした。

FMチューナーの代わりは、HDD内蔵のCDプレーヤーSONY NAC-HD1に搭載されたFMチューナー部から、CDプレーヤーの同軸デジタル出力経由でデジタルアンプのSD05に入力する方法をとったので、HD1で聞くCD音源レベルの音質を期待していたのですが、残念なことに(当たり前ですが)従来技術のデジタルシンセサイザーチューナーの音声は、C-FT50の高音質に慣れた耳にはダイナミックレンジが狭くてS/Nも悪い印象が拭えませんでした。

アップグレード後のFMチューナーが手元に戻ってきたのが1月28日でしたから2週間程我慢の日々でした。

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オーディオ的には、この間にAccuton社の30ミリ径セラミックツィーターに取り付けているフイルムコンデンサーを、耐圧400VのPARC Audio製から630Vの高圧に耐えるSolen製に交換して音質向上の成果を感じていました。

その頃アップグレードから戻ってきたFMチューナー。

早速元の位置にセットし直してFPGA基盤交換でリセットされた放送局のプリセットを終え、よく聞くNHK-FMの受信状態について実装されたマルチパスノイズのレベルを確認したところ、拙宅の受信環境ではマルチパスノイズの影響は軽微なので、MPC機能を働かせるとかえって音質劣化を招くということが判りました。

因みに、近隣の送信所からのコミュニティFMについてはアンテナの方向が45°近くズレているために盛大にマルチパスノイズが乗っていることが判明しましたが、災害時の情報源でしか聞くことはないので、特に影響はありませんでした。

結果的にMPC機能の実装は不要だったのですが、今までマルチパスノイズが影響しているかどうかは聴感に頼るしか無かったので、測定値が表示されるようになった安心感をアップグレードで手に入れたと納得していました。

音質はHD1とは比べ物にならない程良いですし、デジタルエアチェックの楽しみも復活したのでそのまま満足していたのです。

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それから暫くして、いつも聴くNHK-FMのクラシック番組の音声が、随分生々しく聞こえることに気づきました。

最初はコンサートライブ収録の放送だからだろう?と思っていたのですが、朝の音楽番組で流されるCDなどのメディア再生も同様に音質が良くなったように聞こえるのです。

コレは、FPGAを新しい基盤に交換して部品が新しくなったリセットの効果もあるんだろうか?と考えるようになり、FMチューナーの受信レベルをみると、今まで66〜67dbだったのが僅かですが2db程向上しているのに気がつきました。

もしかして、FPGA基盤の交換に際して、マルチパスノイズキャンセル機能の実装以外にも、音質の向上に繋がるような改良が施されているのでは?という疑問が沸々と湧いてきました。

(続く)

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