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2025/09/30

広島交響楽団 第32回島根定期演奏会(出雲市民会館)

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年に1回程度のペースで開催されている広響交響楽団の島根定期は、県内各地にあるホールを順ぐりに回っているようで、今年は地元出雲市民会館で開催される、という情報を市内に住む従兄弟から仕入れたので、6月28日のチケット発売日に市民会館まで出かけてチケットを購入していました。

それを切っ掛けにして、広島交響楽団と京都市交響楽団が、広島県福山市にある音楽ホール「福山芸術文化センター リーデンローズ」を会場にして、年6回の「オーケストラ福山定期」という名前で、其々の本拠地での定期演奏会の翌日に、同じプログラムで演奏会を開くというのを知ることが出来ました。

常設のプロオーケストラを持つことがない地方のホールだと、都会のプロオーケストラがやって来ても、有名曲を並べただけのドサ周り公演になり勝ちで、定期演奏会のように入念にリハーサルを重ねた完成度の高い演奏はそう期待できないのが普通ですが、この福山定期は本拠地で入念にリハーサルを重ねて本番で演奏したプログラムをそのまま翌日に福山で演奏するのですから、期待出来るというものです。

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ということで、早速秋のお彼岸墓参りの日程に重なっていた、広響福山定期のコンサートに出かけたのは、前回の日記に詳しく書いています。

この演奏会が好印象だったので、関西の西宮北口にある兵庫県立芸術文化センターまで通うのが物理的、体力的に辛くなったこともあって、この「オーケストラ福山定期」のシリーズチケットを購入しました。

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このリーデンローズ大ホールは音響設計を、世界的にみても音の良いと定評のある音楽ホールを手掛けている永田音響設計の技術者である豊田泰久氏が手掛けているそうです。

因みに、豊田氏はここ福山市のご出身だとかの縁もあり、2021年6月から「公益財団法人ふくやま芸術文化財団」の理事長に就任されているそうです。

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前置きが長くなりましたが、広響島根定期はチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトと、ドボルザークの交響曲第9番「新世界から」の2曲からなる、いわゆる名曲コンサート的な演奏会ですが、指揮者に飯森範親、ソリストに周防亮介といったトップクラスを招いた演奏会なので、期待して会場に入りました。

出雲市民会館はホールの座席数1,200席の多目的ホールなので、音響的にはそう恵まれている訳ではありませんが、地元は音楽が盛んな土地柄で中学、高校の吹奏楽や合唱の水準が極めて高く、全国大会常連校が数多くありますし、出雲芸術アカデミーと名付けた音楽教育のシステムが市民オーケストラや合唱団に吹奏楽団の演奏活動が活発に行われている関係で、一定規模の音楽愛好者数が居る為か、ホールの聴衆の入りも7~8割まで入っていたと思われます。

チャイコフスキーのバイオリンコンチェルトを弾いた周防亮介氏は、パンフレット写真をみると女装したバイオリニストといった風情ですが、ステージに登場したご本人は中性的な佇まいでガッチリした骨格を持ち、強靭で硬質な音質が特徴的なバイオリニストでした。

その演奏テクニックは完璧とさえ思えるほどで、狭いとさえ感じるステージで鳴るオーケストラの大音量にも、バイオリンの響きがかき消されることもなかったです。

アンコールで弾いたのは、ロドリーゴ作曲アルファンブラの宮殿というギター曲でしたが、まるでギターのトレモロを聞いているかのような素晴らしい技巧に驚かされました。

休憩を挟んで演奏されたドボルザークの新世界交響曲は、流石に演奏し慣れているのか手堅くまとまった演奏で、木管アンサンブルもバランス良い響きでしたし、金管楽器群の安定感も素晴らしかったです。

アルコール曲はチャイコフスキーの弦楽セレナーデから第2ワルツが演奏されて、2時間のコンサートが終わりました。

市民会館から自宅までは徒歩で15分もかからない至近距離なので、こんな時地方都市の中心部に住むメリットを感じました。

さて、次回の広響第33回島根定期演奏会は、開催ホールは何処になるのでしょうか?

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2025/09/23

初めての広響福山定期

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恒例の秋のお彼岸墓参りで、カミさんの実家がある奈良県南部まで一泊で行ってきた帰り道。

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いつもとは違い山陽自動車道の福山東ICを降りて福山市内中心部に近いコンサートホールにやってきました。

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ここはふくやま文化ホールのひとつ「ふくやま芸術文化ホール・リーデン・ローズ」というコンサートホールで、中には2階3階バルコニー席を持つ2,000席収容の大ホールと、平土間300席の小ホールがあります。

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1994年竣工のコンサートホールのうち、大ホールは永田音響設計が手掛けた音響的にも優れたホールとして定評があるようで、今回訪れた広島交響楽団と共に、京都市交響楽団という2つのオーケストラが交互に年3回ずつ計6回のコンサートを、「オーケストラふくやま定期」と銘打ってシリーズチケットを発売しているのです。

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今回のコンサートはその2024〜2025年シリーズの3回目となる「広響ふくやま定期Vol.9」

尾高忠明の指揮でホルン独奏にベルリンフィル首席ホルン奏者のシュテファン・ドール氏を迎え、リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番と、シベリウスの生誕160年を記念して、4つの伝説曲「レンミンカイネン組曲」が演奏されました。

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オンライン予約でチケットを取ったのでどんな席になるのか心配でしたが、中に入ってみると永田音響設計の手になるホールらしく温かみのある適度な残響が心地よいホールで安心しました。

席は平土間席の前から10列目で割合ステージに近い中央の席でした。

ステージのセッティングはほぼ平土間のまま、金管楽器と打楽器だけ僅かに高くなっているだけなので、ステージに奏者が勢揃いすると木管、金管の奏者達は弦楽器の後ろに隠れてしまうように見えます。

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コンサート最初のホルン協奏曲が始まると、シュテファン・ドールのホルンが深く輝く様な響きの素晴らしいテクニックで圧倒されました。

広響の伴奏も軽快に響き、リヒャルト・シュトラウスのこの第1番コンチェルトを見事に演奏し終えました。

3度のカーテンコールのあと演奏されたアンコール曲は、同じくリヒャルト・シュトラウスの第2コンチェルトの第3楽章を、これも軽快に演奏してくれました。

シュテファン・ドール氏はいつもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで視聴していますが、生演奏の圧倒的な演奏を聴くと、遥々福山市まで足を運んで良かったとつくづく思いました。

休憩を挟んで演奏されたシベリウス作曲、4つの伝説曲「レンミンカイネン組曲」は、フィンランドの伝説カレワラに登場する英雄レンミンカイネンを主人公にした交響詩的な組曲で、其々単独で演奏されることが多い4つの曲で構成されています。

1)レンミンカイネンと島の乙女たち

2)トゥオネラの白鳥

3)トゥオネラのレンミンカイネン

4)レンミンカイネンの帰郷

シベリウスというと国歌以上に有名な交響詩「フィンランディア」の他多くの交響曲があり演奏される機会も多いのですが、この組曲は2番目の「トゥオネラの白鳥」は演奏される機会も多く耳に馴染んでいますが、他の3曲は聴くのは初めてでした。

シベリウスらしいロングトーンを多用した重奏和音を変化させて、北欧の厳しい自然を色彩豊かに表現したり、木管パートの軽快なメロディでカレワラ伝説の主人公を描いたり、中でも大太鼓の鈍く響き続けるトレモロが全曲を通じているのが印象に残りました。

広響の演奏は指揮者の尾高忠明氏の特徴も反映されているのか、アンサンブルのまとまりが良く軽快な響きのサウンドが印象に残りました。

リヒャルト・シュトラウスのコンチェルトだと伴奏なのでピッタリですか、シベリウスだともっと力強い重々しい響きを出して欲しいな?と欲も。

コンサート会場から2時間強150Kmの距離で帰宅出来るリーデン・ローズでの「オーケストラふくやま定期」は、体力的に兵庫芸術文化センターオーケストラの定期に通うのが辛くなってきたので、代わりに年6回のコンサートシリーズに自家用車で通ってもいいかな?と思えるものでした。

広島交響楽団の演奏会は近々地元出雲市でも演奏会があるので、次回はどんな演奏が聴けるのか楽しみです。

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