初めての広響福山定期
恒例の秋のお彼岸墓参りで、カミさんの実家がある奈良県南部まで一泊で行ってきた帰り道。
いつもとは違い山陽自動車道の福山東ICを降りて福山市内中心部に近いコンサートホールにやってきました。
ここはふくやま文化ホールのひとつ「ふくやま芸術文化ホール・リーデン・ローズ」というコンサートホールで、中には2階3階バルコニー席を持つ2,000席収容の大ホールと、平土間300席の小ホールがあります。
1994年竣工のコンサートホールのうち、大ホールは永田音響設計が手掛けた音響的にも優れたホールとして定評があるようで、今回訪れた広島交響楽団と共に、京都市交響楽団という2つのオーケストラが交互に年3回ずつ計6回のコンサートを、「オーケストラふくやま定期」と銘打ってシリーズチケットを発売しているのです。
今回のコンサートはその2024〜2025年シリーズの3回目となる「広響ふくやま定期Vol.9」
尾高忠明の指揮でホルン独奏にベルリンフィル首席ホルン奏者のシュテファン・ドール氏を迎え、リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番と、シベリウスの生誕160年を記念して、4つの伝説曲「レンミンカイネン組曲」が演奏されました。
オンライン予約でチケットを取ったのでどんな席になるのか心配でしたが、中に入ってみると永田音響設計の手になるホールらしく温かみのある適度な残響が心地よいホールで安心しました。
席は平土間席の前から10列目で割合ステージに近い中央の席でした。
ステージのセッティングはほぼ平土間のまま、金管楽器と打楽器だけ僅かに高くなっているだけなので、ステージに奏者が勢揃いすると木管、金管の奏者達は弦楽器の後ろに隠れてしまうように見えます。
コンサート最初のホルン協奏曲が始まると、シュテファン・ドールのホルンが深く輝く様な響きの素晴らしいテクニックで圧倒されました。
広響の伴奏も軽快に響き、リヒャルト・シュトラウスのこの第1番コンチェルトを見事に演奏し終えました。
3度のカーテンコールのあと演奏されたアンコール曲は、同じくリヒャルト・シュトラウスの第2コンチェルトの第3楽章を、これも軽快に演奏してくれました。
シュテファン・ドール氏はいつもベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで視聴していますが、生演奏の圧倒的な演奏を聴くと、遥々福山市まで足を運んで良かったとつくづく思いました。
休憩を挟んで演奏されたシベリウス作曲、4つの伝説曲「レンミンカイネン組曲」は、フィンランドの伝説カレワラに登場する英雄レンミンカイネンを主人公にした交響詩的な組曲で、其々単独で演奏されることが多い4つの曲で構成されています。
1)レンミンカイネンと島の乙女たち
2)トゥオネラの白鳥
3)トゥオネラのレンミンカイネン
4)レンミンカイネンの帰郷
シベリウスというと国歌以上に有名な交響詩「フィンランディア」の他多くの交響曲があり演奏される機会も多いのですが、この組曲は2番目の「トゥオネラの白鳥」は演奏される機会も多く耳に馴染んでいますが、他の3曲は聴くのは初めてでした。
シベリウスらしいロングトーンを多用した重奏和音を変化させて、北欧の厳しい自然を色彩豊かに表現したり、木管パートの軽快なメロディでカレワラ伝説の主人公を描いたり、中でも大太鼓の鈍く響き続けるトレモロが全曲を通じているのが印象に残りました。
広響の演奏は指揮者の尾高忠明氏の特徴も反映されているのか、アンサンブルのまとまりが良く軽快な響きのサウンドが印象に残りました。
リヒャルト・シュトラウスのコンチェルトだと伴奏なのでピッタリですか、シベリウスだともっと力強い重々しい響きを出して欲しいな?と欲も。
コンサート会場から2時間強150Kmの距離で帰宅出来るリーデン・ローズでの「オーケストラふくやま定期」は、体力的に兵庫芸術文化センターオーケストラの定期に通うのが辛くなってきたので、代わりに年6回のコンサートシリーズに自家用車で通ってもいいかな?と思えるものでした。
広島交響楽団の演奏会は近々地元出雲市でも演奏会があるので、次回はどんな演奏が聴けるのか楽しみです。
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コメント
私も10月13日の京響福山定期は行く予定にしています。
ただ、終了時間が読めない用事があり不確定なのでチケットは当日券で買おうと思っています。
メールアドレス欄に入力しましたので、もしよろしければそちらにメールを頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
投稿: ヒロノミン | 2025/10/06 21:52
ヒロノミンさん、コメントありがとうございます。
出雲に移住して3年余りになりますが、出雲市民会館は勿論のことリーデンローズの演奏会のことを知ったのも今回初めてで、灯台下暗しとはこのことで勿体無いことをしていたと思っています。
来週日月は兵庫と福山の演奏会2日続きですが頑張って出掛けるつもりですので、もしリーデンローズの演奏会にお出掛けされるのであればお声掛けください。
投稿: 椀方 | 2025/10/06 09:33
広響の島根定期は、松江のプラバホール、出雲市民会館、益田のグラントワを巡回していると思います。具体的なパターンまでは覚えていませんが。
文中の出雲フィルには、2021年まで岡山フィルの首席コンサートマスターを務められた高畑壮平さんが、特別客演コンサートマスターを務められています。
出雲フィル自体はまだ聴いたことがないのですが、この高畑さんのヴァイオリンが独特のコクの深い音色で、非常に聴き応えがあります。高畑さんは、ドイツのNRW州立南ヴェストファーレン・フィルで第一コンサートマスターを38年間務めた経験をお持ちのベテランです。
https://hironomin.hatenablog.com/entry//2021-11-13
恐らく室内楽や街中コンサートなどにも出演されていると思いますので、もし機会があれば、ぜひ一度その演奏を聴いてみてください。
投稿: ヒロノミン | 2025/10/05 22:47
兵庫県立芸術文化センターも永田音響設計の手になるのも関係しているのか?それより早く竣工しているリーデンローズの内装など雰囲気も似ていますね。
西宮北口でコンサート終了する17時前後だと乗れる高速バスが無くなってしまったのが残念です。
夜遅くても寝て帰られるのは大きかったですね。
投稿: 椀方 | 2025/09/30 18:55
兵庫芸術文化センターは、車で直接行っても300キロ越えで、四時間以上かかります。比べて福山は距離も丁度半分で、高速費用も無料区間があり、ガソリン代を考えてもとても経済的です。演奏会も早い時間に終わるようですから、帰ってくるのも楽ですね。
良いところに、素晴らしいホールがあったものです。年間6回、広響と京響が交互にやって来るなんて最高です。94年建築のホールも、永田設計ですから、いい音で楽しめると思われます。福山まで、あのシュテファンドールや、ツィメルマンがやって来るなんて素敵ですね。
椀方さんのお車は、冬にも強いですから、当分楽しめますね。
投稿: GRF | 2025/09/23 20:44