文化・芸術

2014/11/09

正倉院展に行きました



先週11月1日に、奈良国立博物館で開催されている正倉院展に行ってきました。
例によってバッグの中には連れ合いを入れての鑑賞です。

正倉院ご宝物の魅力は、なんと言っても千数百年の時を経てもなお色褪せない保存状態の良さとともに、現代人の技巧に遜色無いどころか遥かに凌駕する技術と美的センスの素晴らしさ。
時折、明治維新後に製作されたレプリカと並べた陳列がありますが、比較にならない程オリジナルが素晴らしいと感じます。

収蔵されているご宝物の数も多く、長年毎年通い続けているのになかなか同じ出陳の品に会いません。


そのような正倉院展ですが、今年から独りで鑑賞することになると、その感動を分かち合えない寂しさを改めて実感してしまい、帰途に東大寺大仏殿と興福寺の国宝館に立ち寄り仏像の前に立ちました。


東大寺大仏殿の盧遮那仏、興福寺の千手観音像、そして阿修羅像・・・・・・・

仏像のどこに立っても見る人の心の中まで見透すかのような眼差しを見つめていると心がが落ち着きます。
興福寺ではお線香を買いました。

来年以降も続く限り正倉院展に行きましょうね。


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2013/11/03

そうだ奈良へ行こう「第65回正倉院展」

R0010155台風27号が近畿南方海上を通過した先日の土曜日から、奈良国立博物館で初日を迎えた「第65回正倉院展」に出かけてきました。
当初は大荒れの週末予想だったので初日にもかかわらず出足は少なめだったのですが、それでも熱心なファンが9時の開場前には列をなしていました。
R0010149開場と同時に館内に入ることができたのですが、それでも細かな工芸品の前には、できるだけ間近で鑑賞したい人達で一杯。
1300年以上の時を経てもなお輝きを失わないどころか、明治維新の初期に当時の最高峰の技術で模造された工芸品と並べられたコーナーでは、歴史を経た圧倒的な存在感が眩い限りです。

美術工芸の歴史のなかでも奇跡的といわれる保存状態の良好さが正倉院宝物の素晴らしさで、所謂「出土品」の歴史的価値とは一線を画す、古代の高度な美術工芸品の素晴らしさを、今年も堪能しました。
R0010151正倉院展の期間中だけおもてなしされるのが博物館1階裏にあるお茶席です。
緋毛氈の敷かれたお茶席で、特製のお茶菓子とお茶をいただきます。
例年のお抹茶ではなく、今年は茶葉をたっぷり入れた煎茶をいただきました。

R0010156奈良駅までの帰路にある興福寺境内を抜けるのが一番の近道です。
今は中金堂再建工事中ということであちらこちらに工事の柵があって思うようには歩けませんでしたが、5重塔の横を抜けて、北円堂で公開中だった国宝の仏像を拝んで帰りました。
R0010157興福寺というと、国宝館に安置されている阿修羅さんが有名ですが、観るべきものはまだまだありますね。
R0010159近鉄駅近くにある東向き通りにある老舗の奈良漬を買って帰路につきました。

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2012/01/11

建仁寺で小泉淳作の双龍図に再会

20120108kenninji1さて、いも坊でお腹が一杯になった後は古都京都の花街、祇園花小路の先にある建仁寺
建仁寺は建仁2年(1202年)の創建。国宝「風神雷神図屏風」が有名な禅寺です。
20120108kenninji2「○△□乃庭」と呼ばれる禅宗の4大思想を表した庭園も見応えがあります。
20120108kenninji3桃山時代に描かれた方丈の「雲龍図」や「花鳥図」も複製されています。
20120108kenninji4しかし、何といっても見どころは法堂の天井一杯に描かれた双龍図。
小泉淳作氏の渾身の作である。
20120108kenninji5どこから見てもこちらを見つめている龍の姿。
20120108kenninji6小泉淳作氏は今年9日に87歳で逝去されたという。

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2011/12/17

明代龍泉窯青磁・東洋陶磁美術館

金曜日は私用があって会社を休み、始発の飛行機で大阪の自宅に帰りました。
所用は午前中で終わったので、午後は大阪市中之島にある東洋陶磁美術館へ出かけました。

旧安宅コレクションを収蔵したこの美術館には何度か足を運んでいるが、今回は国際交流企画展として中国浙江省の龍泉窯の発掘成果を出土品が日本で初めて紹介されていたので楽しみにしていました。

明の時代(1360年代~1390年代)というと、日本では鎌倉時代が終わり南北朝の頃で、世の中が乱れていた時代。
その頃明の宮廷が定めた規格により、龍泉窯に宮廷用の官器を生産させており、規格に外れた焼き物は惜しげもなく叩き割られて打ち捨てられたといいます。
その跡を発掘した成果が今回の展覧会なので大抵が出土後に補修されたものですが、これが規格外なの?と思えるほど精緻なものですが、解説を読むとなるほど厳密には不良品であることが判ります。

官製の窯は日本でも江戸時代の鍋島がそうであったように、権威の象徴で贈答を通じて外交的役割をも担っていたようですから、たいそう厳格であったようですね。Toyotoji


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2011/12/11

根津美術館

20111210nezu112月2回目の土曜日午後、表参道にある根津美術館
20111210nezu2根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家である初代根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品コレクションを展示した美術館で、そのコレクションには、尾形光琳作の燕子花図(かきつばたず)をはじめとする国宝7件、重要文化財87件、重要美術品94件を含む7千点以上という。
20111210nezu3
江戸時代の大名家が明治になり経済的理由からやむなく家宝を手放していった時代。
美術品の収集に情熱を燃やしてくれたからこそ。
都心にこれだけの規模の庭園とコレクションを持つ財力もすごいですが、その日本文化を愛した心意気に敬意を表したい。
20111210nezu4現在の建物は、建築家隈健吾氏の設計。
エントランスは竹を配した一直線。
とても表参道から至近の都会の真ん中にあるとは思えないよう工夫されており、訪れる人を美術館へ誘う工夫であろう。
20111210nezu5邸内に残された素晴しい自然と調和したもので、自然光の入り具合や展示照明の使い方にも工夫が見られる。
20111210nezu6コレクションの展示も素晴しいが、邸内の広大な庭園がまた素晴しい。
先の大戦で建物全ては灰と化したというが、それから修復されたとは思えないほどの巨木の数々が残る斜面を下ると鴨が遊ぶ池には小型の屋形船までもやってある。
20111210nezu7入場料1200円を支払い、見学した展示物は、受贈記念特別展として「中国の陶磁・漆・青銅」を開催している。
個人のコレクションを譲り受けたものだというが、これだけの展示設備を持つところに寄贈する度量がある収集家がまだまだ居ることにも驚く。
20111210nezu8
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20111210nezu10さて、美術品と庭園を堪能したらもう夕方。
表参道の並木がイルミネーションで眩く輝き、通りは人で押し倒したの喧騒。
その表参道に背を向けて根津美術館横の細い道を西麻布方面に進んだところに、隠れ家的なお店がある。
今夜は東京在住の高校時代の同級生に中学時代の同窓生も混じった忘年会。
20111210nezu11田舎から出張で出てきた同窓性を入れると総勢11名。
長年仕事で頑張ってきた人も居れば家庭の主婦に納まっている人も。
中には同級生同士の夫婦も居て、会話の中身は田舎の近況や同窓生の消息などを肴に盛り上がった一夜。
20111210nezu12ほろ酔いで表参道交差点まで歩き地下鉄駅に吸い込まれる前にふと天空を見上げると、雲ひとつ無い空に浮かんだ満月が、今まさに皆既月食を迎えようとしているところ。
星に願いをではないが、様々なことがあったこの2011年。
来年こそはもっと明るい希望の持てる年でありますよう、この素晴しい仲間達とまた美味い酒を飲めますように、と祈ってから地下鉄駅に降りていった。

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2011/11/01

第63回正倉院展と東大寺から法華寺参拝、秋の奈良に遊ぶ

20111029shosoin110月29日から待ちに待った第63回正倉院展が開幕するというので、前もって予定を組んでいた。
10月終わりにしては暖かい秋の朝早くから自宅を出て、奈良国立博物館に着いたのは朝8時過ぎのこと。
それでも開場を待つ人の列が1000人はできていただろうか?
献上の工芸品や遺物といった宝物の数々を拝見する回数を重ねるたびに、1千年以上の時空を超えて現代に存在する不思議。
日本人ならではの几帳面さは飛鳥や天平の昔から変らないのだとつくずく思う。
時の権力者達を魅了した香木「蘭奢待(らんじゃたい)」、時権力者に献上された象牙の物差し「紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)」、聖武天皇が出家の後に愛用したとされる「七条織成樹皮色袈裟( しちじょうしょくせいじゅひしょくのけさ)」、献上品を入れる脚付きの箱「碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)」、聖武天皇の愛用品とされる儀式用の刀「金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち)」etc・・・・・・今年も大満足で会場を後にした。
20111029shosoin2その後は東大寺大仏殿、で大仏拝観。
20111029shosoin3いつもながらその迫力に圧倒されてしまう。
創建東寺は極彩色に彩られていたという大仏殿の中で、これも金色に彩られていた大仏を見た人々は、その迫力の前には畏れをなして帰依したのだろうか。
20111029shosoin4大仏殿を出た後は、境内にある戒壇堂を拝観する。
ここは、唐から来日した鑑真和上が日本で初めて「戒」を授ける場として創建されたもの。
その後、鑑真和上は唐招提寺を建立するまで、この戒壇堂を活動の場としたという。
20111029shosoin5戒壇堂を後にして正倉院の西側にある境内西北にある国宝の楼門、天害門を抜けて西に歩く。
20111029shosoin6途中からバスに乗って聖武天皇と光明皇后が埋葬されている御廟を見学し、光明皇后が聖武天皇を弔うため創建した総国分尼寺、法華寺を拝観する。
20111029shosoin7ここでは国宝の十一面観音立像や不動明王などを静かに拝観していると心が洗われる気持になる。
20111029shosoin8心が表れた後は、食欲も増すというもの。
法華寺から再びバスに乗って一条にあるカフェくるみの木に向かう。
27年前からオーガニックや地産地消を実践してきたコンセプトが今もって色あせてないのは素晴しいことだ。
ランチプレートは盛りだくさんでお腹一杯になる。
20111029shosoin9今回は奈良・斑鳩1dayチケットを前もって購入していたので、アリア内の電車もバスも一日乗り放題。
一々切符を買う必要も無く便利。
20111029shosoin10早朝から張り切って遊んだ秋の奈良の一日だった。

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